ラテンアメリカ

南北アメリカ大陸を描いた地図が図案の切手を続けて取り上げていますが、この南北アメリカには合わせて35の国が存在します。その内訳は北アメリカ23か国、南アメリカ12か国になります。さらに北アメリカはカナダ、アメリカ合衆国、メキシコの北米3か国、中米7か国、カリブ海諸国13か国に分類されrます。ただし、メキシコを中米に含めたり、カリブ海諸国も合わせて中米と呼んだり、これらの分類は絶対的なものではありません。 今日取り上げた切手の図案は、南北アメリカ大陸のうち、メキシコから南の地域が描かれた地図が描かれています(カリブ海諸国の小さい島国は描かれていません)。すなわち、カナダとアメリカ合衆国を除いた地域ということになります。このカナダ、アメリカ合衆国の2国とそれ以外の国に、南北アメリカ地域の国を分類する場合があります。前者をアングロアメリカ、後者をラテンアメリカに分類する方法です。 アングロサクソン系の移民が主体で国が成立したアングロアメリカに対し、スペインやポルトガルの植民地であった国が多い地域がラテンアメリカになります。ただし、ラテンアメリカ33か国の中には、最終的にイギリス領となり、独立後も英語を公用語にするなど英語圏の国も含まれており、現イギリス領の島、旧・現オランダ領の地域も存在するので、必ずしもスペイン、ポルトガル、フランスといったラテン系の文化地域が全てではありません。しかし、33か国のうち半数以上の18か国がスペイン語文化圏の国で、ポルトガル語圏のブラジルも含め人口、面…

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南北アメリカ大陸(4)

南北アメリカ大陸を描く地図が図案の切手を続けて紹介していますが、今日もその1枚です。その描く範囲が異なっているが面白い所ですが、今日取り上げた切手も、今までの切手とまた違った範囲が描かれています。 上の切手は、1939年に南米のパラグアイからニューヨークワールドフェアを記念して発行された航空郵便用切手の1種です。この切手の図案の地図は南北アメリカ大陸を描いているのですが、カナダの大部分が示されていません。ニューヨークワールドフェア記念ということで、切手発行国パラグアイの首都アスンシオンからニューヨークまでのルートが描かれた地図になっています。そのため、ニューヨーク近辺の地域までしか描いていない地図になっており、カナダについては五大湖周辺のアメリカとの国境付近の部分を除いて大部分が描かれていません。 地図をよく見ると、パラグアイの国土の部分だけが色が濃く描かれており(少し見にくいですが)、南米大陸の中でのパラグアイの位置が示され、内陸国であることが分かります。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ========================

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南北アメリカ大陸(3)

昨年末に、南北アメリカ大陸を描いた地図が図案の切手を2回紹介しましたが、その描く範囲が微妙に異なていました。新年最初に紹介する今日の切手も、南北アメリカ大陸の地図切手ですが、その描く範囲が前2回の地図とはまた異なっています。 上の切手は1992年にメキシコから、同年4月6日~11日にアカプルコで開催された Americas Telecom92 を記念して発行されたものです。前2回とどこが違うかということですが、カナダの北方にグリーランドが描かれている点が異なります。世界最大の島であるグリーンランドはデンマークの自治領ということで、世界の地域ごとの国の紹介ではヨーロッパで紹介されることも多いですが、地理的、地質的には北米大陸の続きと考えられています。 地球表面を覆うプレートの分布で見ると、グリーンランドは北米プレートに含まれ、地球の歴史における陸地の成立年代で区分する大地形分類では、その大部分がカナダ東部の大部分と同じく最も古い陸地である安定陸塊に分類されます。さらに図案の地図をよく見ると、グリーンランドの近くに位置するアイスランド(北ヨーロッパの国)も描かれているのですが、こちらはグリーンランドとは全く逆で、プレートの広がる境界部である大西洋中央海嶺(海底山脈)が姿を現した島になり、日本と同様に火山国として知られ、地震の多い国でもあります。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ==============…

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南北アメリカ大陸(2)

前々回の記事に続いて、南北アメリカ大陸を描いた地図が図案の切手です。今日取り上げた上の切手は、前々回と同じく米州機構に関するもので、1995年にハイチから米州機構第25回総会開催を記念して発行されたものです。 前々回のバハマの切手と同様に南北アメリカ大陸の地図が描かれているのですが、その描く範囲が少し異なっています。バハマの切手では、北米大陸の北に分布するカナダの島々は描かれていませんでいたが、今日のハイチの切手の図案の地図では、よく見ると(文字と重なって少し見にくいですが)カナダ北方のバフィン島、エルズミア島、クイーンエリザベス諸島、ビクトリア島などがしっかりと描かれています。 このような描く範囲のちがいは、印面の大きさや切手デザインの関係で変わってくると思われますが、切手発行国や切手デザイナーによって微妙に異なってくるのがなかなか面白い所です。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ========================

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パナマ地峡

先日、南北のアメリカ大陸を同時に描いた地図が図案の切手を紹介しましたが、その地理的な境界はパナマ地峡でした。ということで、今日はそのパナマ地峡部が描かれた地図が図案の切手です。 上の切手は、1948年にパナマからアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領をテーマに発行された航空切手の1種で、大西洋(カリブ海)側のコロンと太平洋側のパナマを結ぶパナマ運河およびそれに平行するように通じている道路が描かれています。 パナマの国土は、この地峡部の運河地帯で地理的に南北アメリカ大陸に分かれていることになりますが、運河は東西に長いパナマの中央部よりやや東側にあります。それではパナマは、アメリカ大陸の国を北アメリカ(北米・中米・カリブ海諸国)と南アメリカの国に分ける場合にどちらに分類するかということになりますが、通常は中米の国として扱い北アメリカに分類されています。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ========================

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