トリニダード=トバゴ

料額印面に描かれた地図、今日も前回と同じく島国の航空書簡ですが、上に取り上げたのはカリブ海地域のトリニダード=トバゴの航空書簡です。西インド諸島のうちの小アンティル諸島に属し、その最南部に位置するのが同国です。トリニダード島とトバゴ島の二つの島からなり、トリニダード島のすぐ南側は南米大陸のベネズエラになります。 料額印面に同国の国旗とともに二つの島の地図が描かれています。印面中央下の大きな島がトリニダード島、エリザベス女王の肖像のすぐ下の細長い小さい島がトバゴ島になります。女王の肖像が描かれているということで、イギリスから独立した国で英連邦に加盟している国です。1962年に独立しますが、これは小アンティル諸島の独立国の中では最も早い独立になり、その2年後の1964年に開催された東京オリンピックにも参加しています。 民族構成では、アフリカ系黒人とインド系がともに約40%という構成で、ヒンドゥー教やヒンディー語といったインド文化が存在する国ですが、これは近隣の南米の国ガイアナと共通しています。ともに同じイギリス植民地であったインドから労働力としてやってきたインド人の子孫になるわけです。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ========================

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パプアニューギニア

料額印面に描かれた地図、今日取り上げたのはパプアニューギニアの航空書簡です。以前も紹介したことがあるのですが、その時は料額印面の部分だけだったので、今日は宛名面の全体を示した画像です。パプアニューギニアは世界で2番目に大きな島ニューギニア島の東半部とその周囲に位置するビスマーク諸島、ブーゲンヴィル島などの多くの島々からなる国です。 ニューギニア島の西半部はインドネシアの領土になり国境を接しています。インドネシアと接しているので東南アジアの国かとも思ってしまうのですが、パプアニューギニアは世界の地域区分ではオセアニアに属します。オセアニアは大陸国家オーストラリアとポリネシア、ミクロネシア、メラネシアの三つの地域にさらに区分されますが、そのうちのメラネシアに属します。世界第2位の大きな島の東半部が領土ということで、面積は46.3万㎢と日本より大きく、オセアニアではオーストラリアに次ぐ大きさでニュージーランドを上回っています。 料額印面の地図の横縞模様の部分は旧ドイツ領、縦縞模様の部分は旧イギリス領を示しています。島の西半部のインドネシアの部分は旧オランダ領になります。地図には経緯線や地名が示されていないのが残念ですが、日本のほぼ真南、赤道のすぐ南側に位置しており、南側にはオーストラリアのヨーク岬半島があります。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ========================

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ブカレスト国際切手展

料額印面に描かれた地図、今日はルーマニアの切手付封筒です。上に取り上げたのは、2005年にルーマニアのEUへの加盟条約署名を記念して発行されたものです。実際にルーマニアがEUに加盟するのは2007年のことになります。 料額面にはルーマニアの地図が描かれており、首都のブカレストの位置がドットで示されています。ルーマニアは南側でブルガリアと国境を接しており、その国境をドナウ川が流れています。ブカレストはドナウ川の支流は流れていますが、本流は流れていません。 今日、ルーマニアの切手付封筒を取り上げたのには理由があります。(長くなりますが)私事ですが、昨日まで4日間ブカレストで世界切手展(EFIRO2024)が開催され、私もテーマティク部門に「地図の歴史」という作品を出品しました。この作品に関しては、2016年のニューヨークでの世界展で金賞(90点)(金賞90~94点)を受賞し、次いで2021年の横浜の世界展で連続2回目の金賞を目標とし、結果にかかわらず、この作品の最終出品と考えていました。結果はポイントアップの93点で金賞を受賞できたのですが、コロナ禍の影響でこの横浜展は世界展ではなくアジア地域展としての開催になり、モヤモヤ感が残ってしましました。コロナ禍が明けて今回開催のブカレスト展が、当初のヨーロッパ地域展から世界展に変更されて開催されることになり、アジア展になった横浜展の代わりに世界展への出品を決断したわけです。 その審査の結果発表があり、私の作品は88点の大金銀賞(85…

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マラヤ連邦州区分図(2)

料額印面に描かれた地図、今日取り上げたのは前回と同様、マラヤ連邦の地図です。前回は書留書簡でしたが、今回は同じポスタルステーショナリーでも航空書簡になります。印面の地図の図案は書留書簡と同じですが、刷色が異なっています。 地図にはマラヤ連邦の州区分が示されているのも同じですが、よく見ると11の州があります。面積の大小がありますが、小さい州のうちの一つが南部のマラッカ海峡に面したマラッカ州です。州都マラッカは、世界遺産にも登録されている歴史ある都市で、インド航路を開拓したポルトガルが、その後の東方進出で香辛料貿易を独占した時代には、その中継拠点として栄えました。 なお、印面下部にはジャウィ文字によるマレー語の表記もあります。現在ではラテン文字の表記が一般的で使用の少なくなっている文字ですが、一部の地域では伝統的に使用が続けられれています。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ========================

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マラヤ連邦州区分図

葉書の料額印面に描かれた地図が続きましたが、今日は同じポスタルステーショナリー類でも、書留書簡の料額印面に描かれた地図です。上に取り上げたのは、マラヤ連邦の書留書簡で料額印面にはマレー半島の地図が描かれ、マラヤ連邦の州区分が示されています。 マレー半島は第二次大戦後の1948年にイギリス保護領マラヤ連邦となり、その後1957年にマラヤ連邦として独立します。1963年にマレー半島先端部のシンガポール、ボルネオ島のサラワク、サバを合わせて連邦国家マレーシアとして成立しますが、1965年には短期間でシンガポールが分離独立することになります。 上の書留書簡は1959年5月にジョホールバールからクアラルンプールに差し出されたもので、マラヤ連邦時代のものです。地図には小さい字で地名が記載されており、よく見るとマラッカ海峡を挟んで対岸のインドネシアのスマトラ島、この時点ではマラヤ連邦に加わっていないシンガポールも記載されています。 料額は30セントですが、印面の下部と上部にそれぞれ、書状料金10セント、書留料金20セントの表記があり、当時の郵便料金の内訳がよく分かります。なかなか渋い純地図を描いたこの料額印面ですが、封筒のフタの部分に印刷されているのが特徴的です。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ========================

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