大西洋航空路

料額印面に描かれた地図、今日は前回のシエラレオネと同じ西アフリカの国リベリア発行の航空書簡です。上に取り上げた航空書簡の料額印面には、アフリカ大陸と南北アメリカ大陸の一部が描かれ、リベリアと南米ブラジル間の航空路が示されています。 地図にはリベリア、ブラジルの国名だけで、都市名が示されていませんが、リベリアの首都モンロビアとブラジル北東部ナタール間の航空路と思われます。この両都市の間は、大西洋を挟んだアフリカ大陸と南米大陸との間の距離が最も短くなる海域の一部になっており、約3100kmの距離になります。 なお、モンロビアは北緯6度18分、ナタールは南緯5度46分に位置しており、航空路の途中の中間地点あたりで赤道を通過することになります。また、同じく中間地点あたりでは、印面の地図では分かりませんが、大西洋の真ん中を通過する海底山脈である大西洋中央海嶺も通過することになります。海底山脈なのでその姿は見えませんが。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ========================

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シエラレオネの水系

料額印面に描かれた地図、今日は前回紹介した西アジアのイエメンからさらに西へ進んでアフリカの国です。上に取り上げたのは、西アフリカの大西洋に面した国シエラレオネの航空書簡で、料額印面は同国の地図がその国土形態のまま描かれているめずらしい形になっています。シエラレオネは同じような変形切手も発行していることでも知られる国です。 シエラレオネは、多くのアフリカの国が独立して「アフリカの年」と呼ばれる1960年の翌年1961年にイギリスから独立します。料額印面の地図で分かるように、国土全体が円形に近い国で、西端部に近い位置に首都のフリータウンがあります。このフリータウンの北部から最南端にかけての部分が大西洋に面した海岸線になり、マングローブ林が分布しています。北部半円部はギニアとの国境を形成して山岳地帯になっており、この山岳地帯から大西洋に流れ込む水系が地図に詳しく描かれています。 主要都市の地名やこの水系の描写は市販の地図帳などよりはるかに詳しく示されています。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ========================

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イエメン

料額印面に描かれた地図、今日は地域が大きく変わって西アジアです。上に取り上げたのは、アラビア半島南西部に位置するイエメンの航空書簡で、料額印面に国旗とともに地図が描かれています。 イエメンのうち、北イエメンはトルコから1918年にイマーム王国として独立し、1962年にクーデターによりイエメン=アラブ共和国になります。一方南イエメンはイギリス領から1967年に南イエメン人民共和国として独立し、1970年にイエメン人民民主共和国と改称します。そして、1990年に南北イエメンが統合して現在のイエメン共和国となります。 料額印面の左端には「イエメン人民民主共和国」の表記があり、統一前の南イエメン時代に発行されたことが分かります。すなわち料額印面に描かれた地図も南イエメンだけを描いており、国旗のポールの先端下部が当時の首都アデンの位置を示しています。この南イエメンの北西部に隣接するのが北イエメンで、首都のサヌアは現在の統一イエメンの首都にもなっています。面積的には南イエメンの方が大きく北イエメンの約1.5倍の大きさがあります。 なお、イエメンと言えば「モカ」コーヒーが知られています。16~17世紀にコーヒーの輸出港として繁栄した紅海に面しているモカは、北イエメンにあり付近の内陸山地部にコーヒーの産地があります。19世紀以降モカは土砂の堆積により衰退しますが、「モカ」はイエメン産のブランド名として生き残り、現在は少量の生産のみですがモカ・マタリなどの銘柄名で他の港から輸出されています…

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