レバノン共和国

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アジアの国々を五十音順に紹介してきましたが、今日はその最後47番目で、西アジアのレバノンです。地中海に面した小国ですが、古代フェニキア人の根拠地として貿易で栄えた歴史があります。首都のベイルートは当時から発展していた歴史ある港町です。

レバノンはアラブ民族の国ですが、宗教的にはイスラム教徒とキリスト教徒に二分されており(現在はイスラム教徒が6割)、かつて起こった内戦の要因にもなりました。パレスチナゲリラを含むパレスチナ人も多く居住しており、イスラエル軍の侵攻もたびたび受けています。イスラム教のシーア派、スンナ派、ドゥルーズ派、キリスト教のマロン派、正教などの信徒がおり、宗教のモザイク国家とも言われています。

上の切手は2014年に発行されたもので、レバノンの国土が国旗色のデザインで描かれており、国旗の中央部にレバノン杉が図案化されています。名称はスギですがマツ科の樹木です。このレバノン杉は、古代イスラエルのソロモン王が神殿造営に用い、フェニキア人は航海用ガレー船の船材に多く用いたとされています。

古代には多く自生していたレバノン杉ですが、伐採が進んだ結果、現在ではわずかに残存するのみで、その場所であるレバノン山脈のガディーシャ渓谷は”神の杉の森”として世界文化遺産に登録されています。

レバノン水系図

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