イラク共和国
アジアの国の地図切手、中東の国が続きますが、今日はイラクです。イラクではバース党政権のもと、1979年に大統領に就任したサダム・フセイン時代には1980年~1988年のイラン・イラク戦争、1990年には同じアラブ人国家の隣国クウェートに侵攻(湾岸戦争に発展)と立て続けに対外戦争を引き起こしますが、湾岸戦争ではアメリカ軍主導の多国籍軍が勝利します。2003年にはイラクが大量破壊兵器を持っているとして(実際には所持していなかった)、米英軍がイラクを攻撃してイラク戦争が起こり、フセイン政権が崩壊ます。この結果、2004年6月に暫定政権が発足しますが、上の切手はそれを記念して発行されたものです。
緑一色でイラクの国土形態がよく分かる地図切手ですが、地図帳の地勢図でよく確認すると、緑で描かれている低地は切手図案の地図にも示されているティグリス・ユーフラテス川の中下流沿岸部で、北部のトルコとの国境地帯、すなわちクルド人居住地域は山岳地帯、中西部シリアやサウジアラビアとの国境地帯も高地が広がります。
切手図案の地図は緑一色で統一されていますが、イラク情勢はその後、平和的に統一されたかというと、なかなかそうはいきません。多数派のシーア派と少数派のスンナ派の対立、米軍撤退後のイスラム国(IS)の台頭があり、2015年からはやはりアメリカ主導の有志連合がISを掃討し、その支配から解放させます。現在も政府と北部クルド人自治区の対立は続いています。
イラク発行「世界標準の日」記念
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