イスラエル国

マダバモザイク地図2.jpg

アジアの国、今日はイスラエルです。ところが、このイスラエルは領土を示す地図切手が発行されていないのです。ユダヤ人のパレスチナ入植開始から、1948年のイスラエル建国、中東戦争を経て現在まで、イスラエルとアラブ人の対立はパレスチナ問題として解決することなく継続しており、現状でのイスラエル、パレスチナ自治政府の実効支配地域はありますが、問題は複雑で、明確に領土を描いた地図切手を発行することができないわけです。

ということで、今日紹介するのはイスラエルの首都エルサレムの地図で、上の切手は1997年にヨルダンから発行されたものです。一見地図には見えませんが、印面に描かれているのは、タイル石を敷きつめた”モザイク”芸術”としての地図で、ヨルダンの首都アンマン南西に位置する都市マダバの教会跡の床から発見されたものです。6世紀に作られたこのモザイク地図、パレスチナを描いた現存最古の地図として知られますが、切手印面にはその一部、エルサレムの部分だけが示されています。

エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つの宗教の聖地である宗教都市です。印面左上から下部にかけて、ずらりと並ぶ文字列で記載された説明文に囲まれるように描かれているのがエルサレムになります。東を上にして描かれ、中央左(北)側に大きく示されているのがダマスカス門、中央上部(東)側にあるのがライオン門になります。そして中央下部の城壁のすぐ上側に描かれているのが、イエス・キリストの墓がある「聖墳墓教会」です。

モザイク画はビザンティン(東ローマ帝国)で開花したビザンティン美術を代表する様式の一つで、現在でも建築物の壁面や床面に数多くの美術品が残っています。

国連パレスチナ分割案

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