イエメン共和国

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アジアの国、今日からは頭文字が”イ”になって、その最初はイエメンです。アラビア半島南西端に位置するイエメンは1990年に、それまでの北イエメン(イエメン=アラブ共和国)と南イエメン(イエメン人民民主共和国)が統合して誕生した国です。

上の切手の地図ではアラビア半島のうち、白抜きになっている所がイエメンになります。ただ、この切手はイエメンが発行したものではなく、その逆でイエメン以外のアラビア半島の国の6か国、サウジアラビア、クウェート、カタール、バーレーン、アラブ首長国連邦、オマーンが加盟する湾岸協力会議(GCC)の会議開催を記念してオマーンから1995年に発行されたものです。ペルシャ湾に面していないイエメンは加盟していないため白く描かれており、逆にアラビア半島におけるイエメンの位置がはっきりと分かる地図になっています。

イエメンでは統合後もイスラム教スンナ派の政府側とシーア派が対立する内戦が続き、それぞれを支援するサウジアラビアとイランによる代理戦争の様相を呈しています。

イエメンと言えば、コーヒー通の人には“モカ”の名が浮かぶと思いますが、原産地エチオピアからコーヒーが伝わったイエメンは、16~17世紀に世界のコーヒー主産地となり、積出港のモカが繁栄します。モカは砂の堆積により港の機能を失いますが、コーヒーの代名詞としてのブランド名に生き残ります。現在でもエチオピア産のコーヒーが“モカ”の名で輸出されますが、砂漠の広がるアラビア半島の中でもイエメンの高原地帯は最も降水量がが多く(ステップ気候)コーヒーの栽培が可能で、生産量は少ないもののイエメン産のコーヒーは“モカ・マタリ”の商品名で輸出されています。

南イエメン

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