アメリカ大使館がエルサレムへ移転
先日、イスラエルのアメリカ大使館がテルアビブからエルサレムに移転したことが大きな話題になっています。このエルサレム、現状はユダヤ人の居住する西エルサレムと、旧市街を含みアラブ人(パレスチナ人)の居住する東エルサレムに分かれますが、第三次中東戦争以後はイスラエルが実効支配しています。イスラエルはこのエルサレムを首都としていますが、パレスチナ人はもちろん、国連もこれを認めていません。
ということで、今回取り上げたのは、このエルサレムの位置を描いた地図切手です。上の切手は、イスラエル建国直前の1948年に発行された暫定切手の一種で、イスラエル独立宣言の基になった、1947年の国連パレスチナ分割案を示す地図が描かれており、まさに歴史資料地図そのものです。
色のやや濃い部分がユダヤ人地区、やや薄い部分がアラブ人地区という分割案ですが、ユダヤ人地区の方が面積的に広く、条件の良い地中海沿岸部を多く含んでいるため、アラブ人側は当然この案を受け入れず、中東戦争へとつながっていきます。
この地図の黒く塗りつぶされている所がエルサレムで、国連分割案では三宗教の聖地でもあるエルサレムは永久に国連の監視下に置くことが決定され、現在もその立場が続いています。そのため世界各国のほとんどはテルアビブに大使館を置いているのが現状です。
ちなみに、現在のパレスチナ人自治区は、この国連分割案のアラブ人地区よりも面積的にさらに縮小されています。
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