陸軍による地形図製作
前回紹介したような三角測量などの測地事業はその後の世界各国の地形図製作へと発展していきます。地形図製は各国の威信をかけた国家事業として,また,軍事的には戦略的に不可欠なものとして製作されていきます。
そのために地形図は各国の軍隊(陸軍)がその製作に当たる場合が多く,戦前までの日本もそうでした。現在でもそれが継続している国もあります。
そこで,今日取り上げたのは,引き続きエクアドルの切手ですが,同国の陸軍地理局50年を記念して1978年に発行されたものです。このように陸軍の中に地理または地図,あるいは測量局のような部局を設置して正確な地形図製作を進めるのが一般的です。
切手印面にはその地形図製作のための空中写真を撮影するイメージ図が,飛行機と同国の地図とを描いて示されています。地形図製作のための測量は,隊員による測量器機を利用した現地測量によって長らく行われてきましたが,1920年代にこのような空中写真を利用する空中写真測量が始まり,その後の主流になっていきます。
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