ベハイムの地球儀
先日紹介したピリー・レイスの地図に描かれた縦長のジパングはベハイム型の日本と呼ばれています。「ベハイム」というのは,1492年コロンブスが新大陸を発見したのと同じ年に,現存最古とされる地球儀を製作した人物マルチン・ベハイムのことを指しています。
すなわち,彼の地球儀にはアジア大陸の中国の東にこの縦長のジパングを描いており,1492年製作ということでコロンブスが到達したアメリカ大陸は当然描かれていません。つまり,ヨーロッパと大西洋をはさんで日本や中国が位置しているわけです。
まさに,これが当時のコロンブスやベハイムの世界観だったわけですが,ベハイムがこの地球儀に描いた縦長の日本が,しばらくの間いくつかの世界地図に描かれることになります。
上の切手は,1992年にベハイムの地球儀500年を記念してドイツから発行された切手の「見本」で,印面には大きくニュルンベルクの博物館に現存するベハイムの地球儀が描かれていますが,実際に印面上で見える地球儀の範囲は,ヨーロッパ,アフリカからアジア大陸の部分で,ちょうどジパングと大西洋は見えていない裏側に描かれていることになります。
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