ローマ時代の道路地図
新着小型シートが続きますが,今日はスロバキアから昨年発行された,ローマ時代の遺跡をテーマにした小型シートで,2種の切手部分にはその遺跡が図案になっていますが,私にはシート地の地図が注目に値します。
この地図は,ローマ帝国時代にローマを中心に建設されたローマ道を描いた一種の道路地図で,4世紀に起源がありますが,現存するものは12~13世紀頃に忠実に模写されたもので,16世紀の人文学者ポイティンガーが所蔵していたことからポイティンガー図と呼ばれています。シート地の図案はその一部が描かれていることになります。
原図は現在ウィーンのオーストリア国立図書館に所蔵されていますが,幅34cm,長さ7mという長大なもので,東西方向に著しく引き伸ばされています。ヨーロッパから北アフリカ,アジアの一部まで広大な帝国の勢力圏を含む道路地図で,細い線が道路,やや太い波線が河川を示し,道路に沿って地名,宿駅やその間の里程が記され,中心的な都市には建物の記号が描かれています。
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