朝鮮半島

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 北朝鮮の金正日総書記が建国60周年記念行事に姿を見せなかったことで内外に異変説が広がっていますが,同じく韓国も今年が建国60年ということで,今日は朝鮮半島が描かれた地図切手です。

 上の切手は2007年に韓国から発行された古地図切手で,4種8枚の地図図案の切手を変則的に組み合わせたシートの一部を示しています。背景に東アジアを主体とする古地図が描かれていますが,これは李氏朝鮮時代の1402年に,中国の元代の地図を資料にして描かれたもので「混一彊理歴代国都之図」と呼ばれる地図です。

 中国大陸の様子が詳しく描かれていますが,その西に中央アジアからヨーロッパ,さらにアラビア半島とアフリカ大陸(舌状)も形態は不完全ですが示されています。アフリカ大陸を流れるナイル川の形状は古代プトレマイオスの地図によっており,これはそのプトレマイオスを継承したイスラムの地図,地理学の知識が中国に影響したことを物語っています。

 そしてこのシートの特徴は,朝鮮半島の部分を拡大して示し,目打を入れて切手印面にしていることですが,実は原図では朝鮮半島の下側に日本列島が描かれているのです。切手印面に大きく自国部分を描くのは自然の成り行きという感じもしますが,それに隠れて日本列島が姿を消しているわけです。

この記事へのコメント

  • nagoya-jp

    「混一彊理歴代国都之図」というものは見たことがありませんが、日本を消したというより竹島(独島)の扱いに問題があったのでは?
     構成的に右に寄り過ぎて窮屈でですね。
    2008年09月12日 15:24
  • mapstampfan

    nagoya-jp様
     2度にわたるコメント,資料ホームページの御提示有り難うございます。
     切手図案に描かれる地図に何らかのメッセージが込められている場合,それを読み解くのも楽しいものです。できるだけそういう切手を紹介できればと思っております。
     今後ともよろしく御願いいたします。
    2008年09月13日 21:03

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