マルテルスの世界図

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 ディアスの喜望峰到達はそこまで南下して帰ってきたのではなく,実は喜望峰を周回して海岸線が北東に向かっていることを確認し,東岸を南緯33度付近まで北上してから引き返しているのです。そして帰路途中,昨日紹介したように喜望峰に石柱を建てたわけです。

 このディアスの航海の翌年1489年に,ベネチアで製作されたマルテルスの世界図には,その航海の成果が記録されています。古代プトレマイオスの世界図はインド洋を内海として描いているのに対して,アフリカを周回しうる大陸として描き,ディアスが到達した東岸の南緯33度付近まで地名が記されているのです。

 今日紹介する切手は,1988年に南アフリカ共和国からディアスの喜望峰発見500年を記念して発行された切手の一種で,このマルテルスの世界図のアフリカからインドにかけての部分を図案にした切手です。よく見ると,アフリカ最南端を周回した東岸にも地名が記されているのがわかります。

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