グード図法
今日紹介する切手は,キューバから1964年に第15回UPU(万国郵便連合)会議を記念して発行されたもので,描かれている世界地図は断裂図法の一種ですが,先日来紹介してきた断裂モルワイデ図法や断裂サンソン図法とは異なる図法です。考案者は二つの図法と同じグードという地図学者で,ずばり,グード図法と呼ばれています。
さて,前二者とどこが異なるのか,以前にも書いたのですが,断裂サンソン図法は周辺部の高緯度の形のひずみが断裂モルワイデ図法にくらべて大きくなります。ただ,逆に低緯度では断裂サンソン図法の方が形がよいのです。(見た目はよくわかりませんが)そこで,グードはこの二つの図法の長所を取り入れ,緯度40度44分より高緯度側を断裂モルワイデ図法,低緯度側を断裂サンソン図法で描いて合成させ,全体的に形のひずみが小さく見映えのよくなる図法を考案したのです。
断裂モルワイデ図法,断裂サンソン図法,グード図法,この三つの断裂図法は,一見同じ図法に見えるのですが区別が必要です。陸地の形の見映えという点ではグード図法が最もよくなっているので,シンボルとしての世界地図にはよく利用され,切手図案にも多く採用されています。
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