ミラー図法
メルカトル図法は,高緯度ほど経線・緯線の間隔が拡大され,面積も著しく拡大されるという欠点があること昨日紹介しましたが,その欠点を解消するため,緯線間隔を縮めて描いたのが今日紹介する切手の図案に描かれたミラー図法です。
ミラー図法はメルカトル図法の長所である正角性は失われていますが,高緯度の面積のひずみはメルカトル図法より小さくなり,見映えが良くなっていることから,世界全図としてもよく用いられます。それでもなお,高緯度では面積がかなり拡大されて描かれているのですが。
今日の切手は1999年にフランスから欧州議会50年を記念して発行されたものですが,経緯線のない世界全図がシンボリックに描かれ,(シンボルとしての地図は経緯線のない方がデザイン的にすっきりするかもしれません。)面積的に小さいヨーロッパを,世界全図の中でスポットライトを浴びるように描いているなかなかオシャレな図案で,見せる工夫の施された地図だと思います。このような地図切手を見るのは本当に楽しいですね。
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