TOマップ

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 昨日,中世ヨーロッパでは地球球体説が否定され,学問的にも停滞したことを紹介しましたが,当時のヨーロッパで描かれた世界地図は,ギリシア時代以前の地球円盤説に逆戻りし,キリスト教世界観に基づいたTOマップという簡単なものであった。
 
 TOマップはエルサレムを中心に東を上にして描かれており,Oは円盤のように世界の周囲を取りまく海を表し,Tで区切られたアジアとヨーロッパ,アフリカの三大陸を描いています。Tの横軸はドン川とナイル川,縦軸は地中海を表しています。同じ円形の世界地図でも昨日紹介したイスラムのイドリーシーの地図が古代最高の地理学者といわれているプトレマイオスの地図を継承しているのとは全く異なっています。

 このTOマップと同形態で,内容的にも装飾的にも複雑に描かれ,今日のイギリスに伝わっているマッパムンディ(マップの語源)と呼ばれる地図を図案にした切手が今日の切手で,タジキスタンから千年紀シリーズとして発行されたシートの一面を構成する切手です。

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