円い地図

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 先日来紹介してきた半球図は円形ですが,ランベルト正積方位図法で描けば世界全図も円形になることも以前紹介しました。そこで今日は中世イスラム世界で製作された円い地図を紹介します。

 ギリシア・ローマ時代に発達した古代の地理学は,ヨーロッパ中世においてキリスト教世界観が学問も支配したため,地球球体説の否定に代表されるように暗黒時代に入ってしまいます。その間古代の地理学の伝統はアラビア人を通じて伝えられ,イスラム地理学として発達しました。アラビア人はすでにマレー半島をまわって航海を行っており,中国の東方にシラ(朝鮮半島の新羅),ワクワク(倭国:日本)の存在を地理書に金のとれる国として記載しています。

 今日の切手はサウジアラビアから1977年にアラブ歴史研究の国際シンポジウム開催を記念して発行されたものですが,図案の円形地図は12世紀のイスラム地理学者イドリーシーによって描かれたもので,ヨーロッパ,アフリカから東は中国そしてシラとワクワク(日本)が描かれています。日本を記載した最初の西方での地図として知られています。

 当時のアラビア人達はこの地図を見て,まだ見ぬワクワクをどのように想像したのでしょうか。それにしても見れば見る程美しい円形地図という感じがします。地図ファンには本当にワクワクする気分になる地図です。最後はダジャレになってしまいました。

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