地球を半分描く
シンボルとしての世界地図は様々な図法で描かれていることを紹介してきましたが,今日の切手は1972年にフィンランドから発行されたSALT(戦略兵器削減交渉)署名を記念する切手です。が,これは世界全図ではなく,地球表面の半分だけ描いた半球図と呼ばれるもので,地図学者ランベルトが考案したランベルト正積方位図法で描かれたものです。
どこを地図の中心に描くかによって緯線や経線の描かれ方が変わってきますが,この地図はヨーロッパのフランスあたりを中心に地球を斜め上から見たように描いています。実際,地球の姿をそのまま描いている感じがして非常に見映えがよく,シンボルマークにもよく使用されます。
実はこの地図も世界全図を描こうとすれば,円形の世界地図として描けるわけですが,周辺部は陸地の形のひずみが非常に大きくなり変形した形で描かれるため本当に見映えが悪くなります。そこで,その中央部のちょうど地球表面の半分だけが描かれる部分を切り抜いて半球図として用いているのです。
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