ラテンアメリカデザイン地図

前回、南北アメリカ大陸のうちメキシコ以南のラテンアメリカを描いた地図切手を紹介しましたが、今日も同じくラテンアメリカを描く地図切手を取り上げました。ただし、今日の地図は通常の地図とは異なって、いわゆるデザイン地図という感じの地図になります。 図案の地図を眺めるとラテンアメリカ地域を描いた地図と分かるわけですが、よく見ると地図を構成しているのは太めの横線だけです。横線のみによって描かれたデザインになっているのです。それでも南米や中米地域の大陸の形状が実際に近い状態で違和感なく見ることができます。メキシコのカリフォルニア半島やユカタン半島がはっきり分かり、南米のオリノコ川、アマゾン川、ラプラタ川の河口付近の微妙な表現が見てとれます。 カリブ海諸国は、さすがに小さい島が連なる小アンティル諸島の部分は描かれていませんが、キューバ島、ジャマイカ島、イスパニョーラ島(ハイチとドミニカ共和国からなる)と思われる3つの島を描いています。ただ欲を言うと、キューバ島をもう少し長く描き、その右下にイスパニョーラ島、キューバ島の右端部の下にジャマイカ島を配置させたら実際の位置関係により近くなるのではと思ったりします。それでも全体としてはラテンアメリカの範囲を示す、見ていて楽しくなる優れたデザイン地図だと思います。 この切手は2001年にウルグアイから、ラテンアメリカ諸国における会議機構の第17回連合会議開催を記念して発行されたものです。 ======================== …

続きを読む

ラテンアメリカ

南北アメリカ大陸を描いた地図が図案の切手を続けて取り上げていますが、この南北アメリカには合わせて35の国が存在します。その内訳は北アメリカ23か国、南アメリカ12か国になります。さらに北アメリカはカナダ、アメリカ合衆国、メキシコの北米3か国、中米7か国、カリブ海諸国13か国に分類されrます。ただし、メキシコを中米に含めたり、カリブ海諸国も合わせて中米と呼んだり、これらの分類は絶対的なものではありません。 今日取り上げた切手の図案は、南北アメリカ大陸のうち、メキシコから南の地域が描かれた地図が描かれています(カリブ海諸国の小さい島国は描かれていません)。すなわち、カナダとアメリカ合衆国を除いた地域ということになります。このカナダ、アメリカ合衆国の2国とそれ以外の国に、南北アメリカ地域の国を分類する場合があります。前者をアングロアメリカ、後者をラテンアメリカに分類する方法です。 アングロサクソン系の移民が主体で国が成立したアングロアメリカに対し、スペインやポルトガルの植民地であった国が多い地域がラテンアメリカになります。ただし、ラテンアメリカ33か国の中には、最終的にイギリス領となり、独立後も英語を公用語にするなど英語圏の国も含まれており、現イギリス領の島、旧・現オランダ領の地域も存在するので、必ずしもスペイン、ポルトガル、フランスといったラテン系の文化地域が全てではありません。しかし、33か国のうち半数以上の18か国がスペイン語文化圏の国で、ポルトガル語圏のブラジルも含め人口、面…

続きを読む

南北アメリカ大陸(4)

南北アメリカ大陸を描く地図が図案の切手を続けて紹介していますが、今日もその1枚です。その描く範囲が異なっているが面白い所ですが、今日取り上げた切手も、今までの切手とまた違った範囲が描かれています。 上の切手は、1939年に南米のパラグアイからニューヨークワールドフェアを記念して発行された航空郵便用切手の1種です。この切手の図案の地図は南北アメリカ大陸を描いているのですが、カナダの大部分が示されていません。ニューヨークワールドフェア記念ということで、切手発行国パラグアイの首都アスンシオンからニューヨークまでのルートが描かれた地図になっています。そのため、ニューヨーク近辺の地域までしか描いていない地図になっており、カナダについては五大湖周辺のアメリカとの国境付近の部分を除いて大部分が描かれていません。 地図をよく見ると、パラグアイの国土の部分だけが色が濃く描かれており(少し見にくいですが)、南米大陸の中でのパラグアイの位置が示され、内陸国であることが分かります。 ======================== ▶▶地図切手総合サイト【小さな地図の博物館】◀◀ ========================

続きを読む