クリケット

Wカップラグビーフランス大会の決勝が本日(日本時間)行われ、南アフリカがニュージーランドを接戦で下して2連覇を達成しました。ということで、今日は南アフリカの地図が描かれたスポーツ関連の切手を取り上げました。 上の切手は、2007年に南アフリカで開催されたクリケットのワールドカップTwenty20の開催を記念して、バングラデシュから発行されたものです。正規のクリケットは50オーバー(300球)限定の試合形式であるのに対して、こちらは投球数が少なく20オーバー(120球)限定の形式で行われます。クリケットはイギリス発祥のスポーツで、野球に似た?イメージの競技です。現在では50オーバー、20オーバーの両方でワールドカップが開催されており、イギリス連邦諸国では非常に人気の高いスポーツです。50オーバーの大会は1975年に第1回大会が開催されていますが、20オーバーの大会はこの2007年が第1回として開催されました。 なお、今月開催されたIOC総会で、2028年開催のロサンゼルスオリンピックでこのクリケットが野球・ソフトボールなどともに正式競技として復活採用することが決定されました。野球・ソフトボールは東京大会で復活して来年開催されるパリ大会は不採用でしたが、再びの復活になります。一方、クリケットは1900年のパリ大会以来128年ぶりの復活となりました。日本では野球・ソフトボールに比べてなじみのないクリケット(日本クリケット協会が存在し、競技者、競技団体ももちろんあります)ですが、これを…

続きを読む

地震国アフガニスタン

西アジアの西の端パレスチナのガザ地区では、ハマスとイスラエル軍との戦闘状況が緊迫しており、連日その報道がなされていますが、一方、西アジアの東の端に位置するアフガニスタンでは、この10月に入って三度の地震が続けて発生しており、こちらも被害が懸念されています。 10月7日に南西部のヘラート州でM6.3の地震が発生、続いて10月11日、そして10月15日にも同地域で同じくM6.3の地震が発生しています。アフガニスタンでは、昨年2022年6月にも東部でM5.9の地震が発生して大きな被害を受けています。アフガニスタンはトルコ、コーカサス諸国、イランから続くアルプス=ヒマラヤ造山帯に属し、いわゆる地球上の変動帯に位置しているため、これらの地域とともに地震の多発国になっています。 今日取り上げた切手は、そのアフガニスタンの国土形態を示す地図の中に多くの人々が描かれた図案になっています。この切手は1996年にアフガニスタン・イスラム国成立4周年を記念して発行されたものです。1979年にソ連が軍事侵攻したアフガニスタンでは社会主義政権が誕生しますが、その後内戦が続き、1992年に社会主義政権が崩壊して新政権が成立、上の切手はその4周年を記念したものになります。しかし、その後の1999年には、イスラム原理主義を掲げるタリバンがほぼ全土を制圧して政権(第一次政権)を握ります。 アフガニスタンはイラン系のパシュトゥー人を中心とする多民族国家で、切手図案は多民族国家を象徴するようなデザインになって…

続きを読む

ナゴルノ=カラバフ

現在アジアの西端に近いパレスチナでは、同地域のガザ地区に拠点を置くイスラム組織ハマスとイスラエル軍との衝突により、多くの死者が出ています。イスラエル軍の大規模地上侵攻に備えて、ガザ地区のパレスチナ住民の南部への避難をイスラエル軍が通告している状況です。 一方、同じくアジア西端に近い地域であるコーカサス(カフカス)でも、同じように住民の避難が続く紛争地域があります。今日取り上げたのは、そのナゴルノ=カラバフの地図切手です。 アゼルバイジャン領内にあるナゴルノ=カラバフはアルメニア人が多く居住し、隣国アルメニアへの帰属替えを要求してきました。1988年以降、両国間で紛争が続いており、1991年にはアルメニア住民がナゴルノ=カラバフ共和国(アルツァフ共和国)の独立を宣言します。上の切手はその5周年を記念して、1996年にナゴルノ=カラバフから発行された小型シートを構成する切手の1種で、ナゴルノ=カラバフの地図が描かれています。 2020年の大規模軍事衝突ではアゼルバイジャン側が勝利して終結し、アルメニア人が実効支配するナゴルノ=カラバフの範囲はこの切手の地図よりも大幅に縮小しました。そして、先月(2023年9月)アゼルバイジャンが軍事作戦を展開し、同地の主権を奪回したと宣言、同地のアルメニア人の多くが本国へ向けて避難を開始する事態になっています。

続きを読む