デイビッド・トンプソン
オレゴン州関連の切手が続きますが、今日取り上げたのは、カナダから1957年に地図製作者デイビッド・トンプソンの没後100年を記念して発行された切手で、測量を行うトンプソンと彼が製作した地図の一部が図案になっています。
トンプソンは毛皮商人としてハドソン湾会社や北西会社で仕事に従事する一方、オレゴン街道の終点であるコロンビア川低地一帯を含めた同川の水系や国境を挟んで現在のアメリカ北西部からカナダにかけての地域の測量、探査の旅を1784年から1811年の27年間かけて続けます。その集大成として完成した1814年の北西部地図は、その後何年間も標準地図として使われ続けました。この地図が完成したのは、オレゴン街道が開かれた1843年の約30年前のことになります。
ちなみに、日本ではほぼ同時代に、伊能忠敬が全国を測量して1821年に伊能図を完成させ、幕府に献上しています。デイビッド・トンプソンがカナダ版伊能忠敬か、伊能忠敬が日本版デイビッド・トンプソンかということになります。