ニウエ

オセアニアの国、今日はポリネシアのニウエです。ニウエは先に紹介したトンガの東方、南太平洋に位置します。サンゴ礁の島であるニウエ島が国土で、島全体が石灰岩からなっています。人口は1937人(2021年)と、バチカンに次いで世界で2番目に少ないミニ国家です。日付変更線はニウエの西側を通り、このニウエは世界で最も日時の遅い国になっています。 1900年にイギリスの保護領、翌1901年にニュージーランドの属領となります。1974年に内政の自治権を獲得し、ニュージーランドとの自由連合国として独立します。日本は2015年にこのニウエを国家承認、現在は世界で約20か国が国家承認していますが、国連には未加盟です。 主要産業は主食のタロイモなどを栽培する農業や漁業ですが、ニュージーランドへの移住者からの送金、ニュージーランドなどからの財政援助など経済的には貿易も含めてニュージーランドへの依存が当然高くなっています。 上の切手は、1984年に内政自治権獲得10周年を記念して発行された小型シートを構成する4枚の切手の1種で、印面にはニウエの国土形態が分かりやすい地図が描かれています。ニウエの領土はこのニウエ島のみで、周囲に島のない孤島です。島全体としては楕円形に近い形ですが、首都アロフィのある西海岸など一部には湾状の部分も見られます。地図には経緯線が入っていますが、残念ながら経緯度の数字が示されていません。 経緯線の入った地図

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ナウル共和国

オセアニアの国、今日はミクロネシアのナウルです。ナウルは南半球、赤道のすぐ南に位置する国ですが、住民はミクロネシア系のため地域的にもミクロネシアに分類されます。面積21㎢とオセアニアでは最少、世界でも3番目に小さい国です。隆起サンゴ礁の島で、現在も島の周囲にくっついてサンゴ礁が発達する裾礁の形態をなしています。 第一次大戦後の国連委任統治領、第二次大戦後の国連信託統治領を経て、1968年に独立します。ナウルの特徴と言えば、リン鉱石が経済を支える国ということになります。長い年月を経て海鳥の糞が堆積、化石化した「グアノ」はリン成分を多く含み、化学肥料の原料として欠かせないものでした。島全体に分布していたこのリン鉱石の採掘、輸出により、20世紀末までは高い経済、生活水準を誇ったナウルでしたが、リン鉱石の枯渇後は経済が一時破綻。現在は第二次採掘への取り組みが始まっており、輸出品のほとんどはこのリン鉱石になっています。 上の切手は、独立前の1954年に発行されたもので、ナウルの島の形態が分かりやすい地図が図案になっています。地図には14の地域区分が示されていますが、これは行政区分ではなく、単なる地区区分ということになります。ナウルでは市や町といった自治体による行政区分は存在しません。南西部に位置するヤレン地区にナウルの政庁があるため、このヤレンが首都として扱われています。 経緯線の入った地図

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トンガ王国

オセアニアの国、今日はポリネシアのトンガです。トンガは先に紹介したサモアの南、南太平洋の180度の経線の東側に位置し、火山島やサンゴ礁の約170の島が4つの諸島を形成しています(一部孤島もあります)。日付変更線は国の東側に設置され、世界の国の中では日時の早い国の1つです。 1900年以降イギリスの保護国となり、1970年に独立を果たします。イギリス連邦の構成国ですが、トンガ王国の国名が示す通り君主はトンガの国王です。 産業の中心は農業と漁業で、総輸出額の約3分の1が魚介類、野菜などの農産物を含めた食料全体では約3分の2を占めていますが、オーストラリア、ニュージーランド、日本などからの援助金や出稼ぎ労働者からの送金が経済を支えています。 ラグビーのさかんなトンガ、日本も参加してまもなく開幕するラグビーのワールドカップにも登場します。 上の切手は、1972年にミネルバ環礁統治宣言を記念して発行された、シール式の航空郵便用公用切手です。印面にはトンガの国旗とともに経緯線の示された地図が描かれていますが、首都ヌクアロファのある主島トンガタプ島周辺と、統治を宣言をした南西部のミネルバ環礁の位置関係が分かる地図になっています。トンガの全体図はこちらを参照にして下さい。なお、首都のヌクアロファにはトンガ全体の人口10.6万人(2021年)の約3分の1が集中しています。 トンガと日付変更線

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