パプアニューギニア独立国

オセアニアの国、今日はメラネシアのパプアニューギニアです。オーストラリア北方に位置し、世界第2の島ニューギニア島の東半部とブーゲンヴィル島など周辺の1万を数える大小多くの島からなっています。 面積、人口ともにオセアニアではオーストラリアに次ぐ国で、住民は、人種分類ではオーストラロイドに属するパプア人、オーストラロイドとモンゴロイドの混血であるメラネシア系を中心にした多民族国家で、話者の少ない言語も含めて言語の数も800以上という多言語国家でもあります。ピジン語であるトクピシン語、ヒリモツ(モトゥ)語が英語とともに公用語になっています。 1884年にニューギニア北東部がドイツ、南東部がイギリスの保護領となり、1906年にイギリス領はオーストラリア領に移行します。第一次大戦後、ドイツ領もオーストラリアの国連委任統治領となり、第二次大戦後に同国の国連信託統治領に継続された後、1975年に独立します。産業の中心は天然ガスやレアメタルを含む金属資源が豊富な鉱業で、農業や林業もさかんです。主要輸出品は白金、銅鉱などの鉱産資源でパーム油や木材がこれに続いています。 今日取り上げたのは、切手ではなく航空書簡(Aerogramme)の料額面の部分です。航空書簡は内側が文章を書く文面となり、折りたたんで封をする形式の航空郵便用書簡のことです。通常はあらかじめ切手に代わる料額面が印刷されています。料額面はパプアニューギニアの地図ですが、ニューギニア島の東半部(西半部はインドネシア領)とその東に…

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バヌアツ共和国

オセアニアの国、今日はメラネシアのバヌアツです。バヌアツは先に紹介した同じメラネシアのソロモン諸島の南東に位置し、約80の島からなっています。これらの島々は南北に続くニューヘブリディーズ諸島を形成しており、環太平洋造山帯に属する火山島です。 1906年にイギリスとフランスの共同統治領となった後、1980年に諸島全体がバヌアツとして独立します。住民はほとんどがメラネシア系ですが、英仏共同統治であった影響で、言語的には英仏の2系統に分かれ、ピジン英語であるビスラマ語とともに英語、フランス語の両言語が公用語になっています。独立時には、フランス語系住民が多い諸島内最大のエスピリトゥサント島が分離独立運動を起こした歴史もあります。 産業は農業が中心で、ココヤシから採れるココナッツ油やコプラが主要輸出品になっていますが、経済的には外国からの援助金で財政を補っています。 上の切手は、1980年の独立時に発行された各島を描く地図シリーズ切手の1種で、この切手は諸島全体を描く地図になっています。最大の島はエスピリトゥサント島ですが、首都のポートビラがあるのはエファテ島で、印面の地図では諸島中央部南寄りの”VATE”と表記されている島です。この表記はフランス語表記で、英語では”EFATE”の表記になります。上述したように、バヌアツは英語、フランス語両系統の住民がいるため、独立時発行のこの地図シリーズ切手は、英語、フランス語それぞれの表記の切手が同図案で発行されており、上の切手はフランス語表記…

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ニュージーランド

オセアニアの国、今日はニュージーランドです。ニュージーランドは地域的にはポリネシアの最も南西に位置します。先住民のマオリ人はポリネシア系で住民の14%を占めています。ヨーロッパ系は約3分の2とオーストラリアの9割より少なく、他にアジア系住民が約1割となっています。 ニュージーランドは北島、南島の2つの主島と周辺の島からなり、日本と同様に変動帯の環太平洋造山帯に属する国で、オーストラリアとは異なり地震国でもあります。全土が偏西風の影響を受ける温帯の西岸海洋性気候で、年中温和な気候です。 1840年にマオリ人とのワイタンギ条約によってイギリスの自治領となり、1947年に独立します。先進国ながら産業の中心は農業で、その水準は高く、生産世界第3位、輸出世界第2位(2020年)の羊毛、生産世界第4位、輸出世界第1位(2019年)のバターを中心にした”羊と酪農”の国になており、酪製品を筆頭に肉類、野菜・果実など食料品が総輸出額の約3分の2(2021年)を占めています。 上の切手は、1940年に自治領設立100年を記念して発行された切手の1種で、印面には、1768年からの第1回探検に際してニュージーランドを周回した探検家クックの肖像と彼の乗船したエンデバー号とともに、その時の測量に基づき製作された当時の地図が描かれています。すばらしい測量技術で描かれたこの地図は、現在の地図とくらべてもその正確さが分かります。この地図の詳細図についてはこちらを参照にして下さい。 経緯線の入った地図…

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