オレゴン街道

先週、アメリカのオレゴン州ユージンで行われた陸上のダイヤモンドリーグファイナルで、日本の北口榛花選手が女子やり投げで優勝しました。陸上のダイヤモンドリーグは世界トップレベルの選手が毎年5月~9月にかけてヨーロッパ、北米、アジアの14都市を転戦し、各種目の上位選手にポイントが与えられて、その累計上位の選手が最終戦のファイナルに集結して戦い、その年のチャンピオンが決まります。 北口選手は、今年8月にブダペストで行われた世界選手権でも優勝しており、まさに現在、女子やり投げにおける世界の第一人者となりました。オリンピックや世界選手権は一国の参加人数に制限がありますが、ダイヤモンドリーグはその制限がなく、各種目文字通り世界の強豪が集まる大会です。 ということで、今日取り上げたのは、今年の陸上ダイヤモンドリーグファイナルの開催地にちなんで、アメリカオレゴン州関連の地図切手です。上の切手は、1993年にアメリカからオレゴン街道開設150年を記念して発行されたもので、印面にはそのルートが描かれています。オレゴン街道は19世紀に西部開拓者が通った移動経路で、約3500㎞の距離があります。開拓者たちは幌馬車を使いこの距離を約半年の期間をかけて移動したのです。 途中、グレートプレーンズの大草原やロッキー山脈を通るわけで、決して楽な平坦な道筋ではありません。基本的には川の峡谷部分を通っていく経路で、地図のルートを見ると、現在の6つの州を通過しているのが分かります。出発点のインデペンデンス(カンザ…

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イギリスの4つの国

ご存じの通り、イギリスの正式国名はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国で、イギリスの中に4つの国、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドがあります。サッカーやラグビーのワールドカップではイギリスのナショナルチームではなく、これらの国ごとに参加しています。 現在フランスで開催中のワールドカップラグビー、昨日、日本はグループステージで強豪イングランドに残念ながら敗れました。ということで今日取り上げたのは、イギリス内の4つの国の位置が分かりやすい地図が描かれた記念印で、地図にはグレートブリテン島とアイルランド島及び周辺の一部の島が描かれています。 アイルランド島の大部分(白い部分)は独立国のアイルランドで、残りの黒い部分が北アイルランド、グレートブリテン島の黒い部分がスコットランド(北部)とウェールズ(南西部)になります。すなわち、グレートブリテン島の白い部分がイングランドです。スコットランド、ウェールズ、北アイルランドはイングランドとは違うということを強調している地図でもあります。 この記念印は、1983年4月に新しい額面の普通切手が発行されたのに合わせて作られた記念の初日カバーに押されたものです。貼られている切手にはエリザベス女王の肖像が描かれていますが、これは彫刻家アーノルド・マーチン制作の石膏像をデザインしたもので、1967年以降発行され続けたマーチンシリーズと呼ばれる普通切手シリーズの1種になります。 印面の左上には北アイルランドのシンボ…

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ミクロネシア連邦

オセアニアの国、今日は最後16番目の国で、ミクロネシアのミクロネシア連邦です。ミクロネシアという場合は、地域としてのミクロネシアと国名としてのミクロネシアがあるので注意が必要です。ミクロネシア地域にある”ミクロネシア連邦”という国名の国ということになります。約600の島からなるミクロネシア連邦は、昨日紹介したマーシャル諸島の西に位置していますが、さらに西に位置するパラオとともにカロリン諸島を形成しており、主要な4つの島が、それぞれ周辺の島とともにヤップ、チューク、ポンペイ、コスラエの4つの州を構成しています。 19世紀末以降ドイツ領でしたが、第一次大戦後は日本の国連委任統治領、第二次大戦後はアメリカの国連信託統治領になり、1986年、自由連合盟約によりアメリカとの自由連合国として独立します。すなわち、昨日紹介したマーシャル諸島とほぼ同じ経緯の歴史があります。 産業の中心は漁業、農業、観光業で、魚介類が主要輸出品になっていますが、アメリカからの財政支援が経済を支えている点もマーシャル諸島と同様です。 上の切手は、2011年に独立25周年を記念して発行されたもので、東西に広く分布するミクロネシア連邦の各島を描いた地図が図案になっています。地図をよく見ると、4つの州名と縮尺が記されており、各島間の大体の距離が分かる地図になっています。 ミクロネシア連邦主要4島の地図 本日のミクロネシア連邦でオセアニア地域各国の地図切手の紹介が終わり、これでアジアから始まった世界19…

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