ラグビーボール型変形切手

日本時間の本日早朝、フランスで開催されているラグビーワールドカップのグループステージで、日本はサモアに勝利しました。サモアの地図切手については、今月すでにオセアニア地域の地図切手の所で紹介していますので、今日はラグビーワールドカップ関連の地図切手を取り上げました。 上の切手は、2007年にフランスを中心に開催されたワールドカップラグビーを記念して発行されたものですが、この年はウェールズやスコットランドでも一部試合が行われたので共同開催の形式で実施されました。印面の国名表記で分かるようにフランスの発行ではなく、フランス領ニューカレドニアから発行されたものです。この切手の特徴は何と言っても目打ちがラグビーのボールのように楕円形に入っている変形切手ということになります。 ただ、図案をよく見ると、選手の背景にフランスの国土の輪郭が描かれており、地図切手の一種でもあります。選手の右足の部分から右側の輪郭線が地中海に面した海岸線、右足の部分から左側の輪郭線がピレネー山脈のスペインとの国境線になります。今日、日本とサモアの試合が行われたトゥールーズはちょうど選手の右ひざの裏側あたりに位置しています。 ちなみに、この切手が発行された2007年の大会にも日本は出場していますが、グループステージで1引き分け3敗の4位となって敗退しています。なお、優勝は南アフリカ共和国でした。

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デイビッド・トンプソン

オレゴン州関連の切手が続きますが、今日取り上げたのは、カナダから1957年に地図製作者デイビッド・トンプソンの没後100年を記念して発行された切手で、測量を行うトンプソンと彼が製作した地図の一部が図案になっています。 トンプソンは毛皮商人としてハドソン湾会社や北西会社で仕事に従事する一方、オレゴン街道の終点であるコロンビア川低地一帯を含めた同川の水系や国境を挟んで現在のアメリカ北西部からカナダにかけての地域の測量、探査の旅を1784年から1811年の27年間かけて続けます。その集大成として完成した1814年の北西部地図は、その後何年間も標準地図として使われ続けました。この地図が完成したのは、オレゴン街道が開かれた1843年の約30年前のことになります。 ちなみに、日本ではほぼ同時代に、伊能忠敬が全国を測量して1821年に伊能図を完成させ、幕府に献上しています。デイビッド・トンプソンがカナダ版伊能忠敬か、伊能忠敬が日本版デイビッド・トンプソンかということになります。

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オレゴン準州

昨日に続きオレゴン州関連の切手です。上の切手は、アメリカから1936年にオレゴン準州100年を記念して発行されたものです。印面にはオレゴン準州の範囲を示す経緯線入りの地図が描かれています。その範囲は現在のオレゴン州、ワシントン州、アイダホ州とモンタナ州およびワイオミング州の一部を含んでいます。 1853年に北部がワシントン準州として分離した後、1959年にオレゴン準州はオレゴン州となり、現在の領域が確定します。オレゴン州に含まれなかった東部地域はワシントン準州に入り、その後分離します。 地図をよく見ると、昨日紹介したオレゴン街道のルートも示されており、地図の右側には幌馬車も描かれています。1936年発行ということで、昨日のカラフルな切手とは違い、単色の渋い切手でなかなか雰囲気があります。

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