ウクライナ

ヨーロッパの国、今日は東欧のウクライナです。元々、親西欧の西部と親ロシアの東部が対立する構図がありましたが、2022年にロシアの侵攻がはじまり、親ロシア派の多い東部と南部の4州の併合を宣言。現在も戦闘状態が続いています。 旧ソ連時代も、ソ連を構成す15の共和国のうち、ウクライナはロシアに次ぐ経済力を持っていました。国土の中央部を流れるドニプロ川(ドニエプル川)流域は、ステップ気候下での草原の腐植層をもつ黒土地帯の広がる穀倉地帯になっており、小麦の世界的産地です。ロシアが併合を宣言した東部には、ドネツ炭田や主要鉄鋼業都市があります。すなわち、旧ソ連時代には、ソ連最大の穀倉地帯と重工業地帯がこのウクライナにあったわけです。 上の切手は、1995年にアーテック世界子供キャンプを記念して発行されたもので、図案の背景には黄色で示されたウクライナの地図が描かれています。南東部に突き出している部分がクリミア半島になり、ウクライナ内のクリミア自治共和国という位置付けですが、ロシア系住民が多いこの地域にロシア軍が侵攻し、国際的承認は得られていませんが、現在はロシアが実効支配しています。この図案のように、子供たちが楽しいキャンプを過ごせる日が早く来てほしいものです。 ウクライナのデザイン地図 ★★★関連本★★★ 地図切手を見る楽しみ、読む楽しみを綴る当ブログの関連本 『切手で読み解く地図の世界 小さな地図の博物館』(えにし書房) 詳しくは上の書名をクリックして、版元の…

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イタリア共和国

ヨーロッパの国、今日は南欧のイタリアです。地中海に突き出す長靴型のイタリア半島がおなじみですが、地中海にはシチリア島、サルデーニャ島の2つの大きな島をはじめとする70の島があります。 地中海性気候が広く分布しますが、ヴェネツィアのある北東部は日本と同じ温暖湿潤気候になっています。南北に長い国土のため、アルプス山脈山麓の北部と半島南部とでは気温差がありますが、トリノやミラノを中心とする北部と半島南部や島々との経済格差も大きく、イタリアは南北格差の大きい国と言われます。 上の切手は、2001年にイタリア農業連盟を記念して発行されたもので、図案には2つの大きな島を含めたイタリアの国土形態が非常に分かりやすい地図が描かれています。イタリアは、夏に乾燥する地中海性気候の代表的作物である、オリーブ、ブドウの生産がともに世界第2位(2020年) )を誇っています。 横に描いたイタリア ★★★関連本★★★ 地図切手を見る楽しみ、読む楽しみを綴る当ブログの関連本 『切手で読み解く地図の世界 小さな地図の博物館』(えにし書房) 詳しくは上の書名をクリックして、版元のサイトをご覧ください。 切手で読み解く地図の世界 小さな地図の博物館 [ 西海 隆夫 ] - 楽天ブックス

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イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)

ヨーロッパの国、今日はイギリスです。正式国名のグレートブリテン及び北アイルランド連合王国が示す通り、グレートブリテン島のイングランド、ウェールズ、スコットランドとアイルランド島北部の北アイルランドの4つの国からなる連合王国です。 スコットランドでは分離独立運動の動きがあり、2014年に住民投票が実施されましたが、反対票が55%で否決されました。逆に、2016年のイギリスEU離脱の国民投票は可決され、長い間の離脱交渉の結果、2020年1月に離脱しています。 アングロサクソン系のイングランドに対し、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドはケルト系の民族になります。上の切手に押されている記念印は、以前紹介したことのあるものですが、この4つの国の構成を分かりやすく示しているので再登場となりました。消印に描かれている地図のうち、黒く塗られている部分がケルト系のスコットランド、ウェールズ、北アイルランドになり、イングランドと独立国のアイルランド本国の白い部分と明確に区別されています。 上の消印が押されている2枚の切手は、スコットランドから発行されたローカル切手で、消印は発行初日の記念印になります。スコットランドなどで発行されるローカル切手は、イギリス全体で通用するものと、発行された地元だけで通用するものがありますが、この切手は前者に当たります。 イギリスの国土 ★★★関連本★★★ 地図切手を見る楽しみ、読む楽しみを綴る当ブログの関連本 『切手で読み解く…

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