中央アフリカ共和国

アフリカの国、今日は中部アフリカの中央アフリカです。文字通りアフリカのほぼ中央部に位置する国で、旧フランス領の内陸国です。昨日紹介したチャドの南隣で、そのチャドを含め6つの国に取り囲まれています。 赤道より少し北側に位置し、国土全体が雨季と乾季が明瞭な典型的な熱帯のサバナ気候に属しています。自給用のヤムイモやタロイモ、キャッサバなどのイモ類、商品作物の落花生や綿花などの栽培がさかんですが、ダイヤモンドや金も産出し、木材とともに重要な輸出品になっています。しかし、1960年の独立後もクーデターが繰り返される政情不安が続き、経済的にも苦しい状況です。 上の切手は、1995年にアフリカ開発銀行設立30年を記念して発行されたもので、図案には中央アフリカの位置を黄色で示すアフリカの地図が描かれており、同国の位置が非常に分かりやすい地図になっています。なお、アフリカ開発銀行は、アフリカの全独立国の他、域外のアメリカ、日本、イギリス、ドイツ、フランスなどの先進国、中国、インド、ブラジルなどの新興国が加盟しており、アフリカ諸国の経済開発促進を目的とする融資機関になっています。 国連加盟記念 ★★★お知らせ★★★ 地図切手を見る楽しみ、読む楽しみを綴る当ブログの関連本として 『切手で読み解く地図の世界 小さな地図の博物館』(えにし書房)が刊行されました。 詳しくは上の書名をクリックして、版元のサイトをご覧ください。

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チャド共和国

アフリカの国、今日は中部アフリカのチャドです。北部はサハラ砂漠の一部で、南へ進むにつれステップ、熱帯のサバナと気候が移り変わります。北部リビアとの国境付近にはサハラ砂漠の最高峰エミクシ山があり、標高3415mの高峰です。 チャドは1960年にフランスから独立しますが、隣国スーダンと同様、北部のイスラム教徒と南部のキリスト教徒が対立し、独立後1970年代にかけて内戦が続きました。イスラム教徒が過半で、フランス語とともにアラビア語も公用語になっていますが、アラブ連盟には加盟していません。 ラクダ、馬、牛、羊、ヤギそれぞれの家畜の飼育頭数が世界10位以内(2020年)で、特にラクダは世界第1位という”家畜の多い”国になっていますが、南部で油田が開発されたため、現在、同国の輸出額の約4分の3は原油が占めています。 上の切手は、以前取り上げた切手の刷色、額面ちがいの切手で、1961年に国連加盟(実際の加盟は1960年)を記念して発行されたものです。チャドの地図と国旗、国連マークが図案になっていますが、地図をよく見ると、現在は面積が縮小しているチャド湖とその近くにある首都のンジャメナが旧名フォールラミの名で記されています。 公用切手 ★★★お知らせ★★★ 地図切手を見る楽しみ、読む楽しみを綴る当ブログの関連本として 『切手で読み解く地図の世界 小さな地図の博物館』(えにし書房)が刊行されました。 詳しくは上の書名をクリックして、版元のサイトをご覧ください…

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タンザニア連合共和国

昨日紹介したソマリアまでで、アフリカ全54か国のうち29か国を取り上げたことになります。すでに半数を超えましたが、今日からは”タ行”の国に入ります。まず最初は東アフリカのタンザニアです。 タンザニアはアフリカ大陸上に位置するタンガニーカと、沖合いインド洋上に浮かぶ島々のザンジバルからなっています。まずタンガニーカが1961年にイギリス領から独立した後、1963年にザンジバルが同じくイギリス領から独立します。1964年に両国が統合されて、10月に国名を現在のタンザニア連合共和国としました。 ウガンダやケニアの記事でも紹介しましたが、タンザニアとケニア、ウガンダは同じイギリス領であったことから結びつきが強く、3つの国を同時に描いた地図切手がしばしば見かけられます。上の切手もその一種で、1996年に東アフリカの果物をテーマに発行されたもので、隣接する3か国の地図とバナナが図案になっています。南側に位置するタンザニアが最も大きいことが分かりますが、日本の約2.5倍の95万㎢の面積があります。よく見ると、沖合にザンジバルの各島も描かれています。 この果物のシリーズ切手では、他にもパイナップルやオレンジなどの果物も図案に取り上げられていますが、タンザニアの果物で生産順位的に最も上位になるのがバナナで、世界第9位(2020年)の生産をあげています。タンザニアの農産物では、果物以外に自給用のカンショやキャッサバなどイモ類、商品作物のゴマやサイザル麻が世界上位の生産をあげ、特にサイザル麻は…

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