アンゴラ共和国

昨日からスタートしたアフリカの国、今日はアフリカの中では南西部、大西洋岸に位置するアンゴラです。アンゴラは旧ポルトガル領の国で、イギリス領やフランス領の地域が1960年代に多く独立する中、1975年の独立と少し遅れます。しかし、独立後すぐに内戦状態となり、その終結は2002年で27年間も続くことになります。 アンゴラは原油の産出が多く、昨日紹介したアルジェリアを上回り、アフリカではナイジェリアに次ぐ2番目の産油国です。OPEC(石油輸出国機構)にも加盟しており同国輸出額の約90%(2019年)を原油が占めています。また、周辺国を含めてダイヤモンドの産出の多い地域で、アンゴラは世界第7位(2018年)の産出です。 上の切手は、フリカ大陸の中でのアンゴラの位置を黄色で示す地図が描かれたシール式の変形切手ですが、アンゴラの発行ではなく、西アフリカのシエラレオネから1968年に国際人権年を記念して発行されたものに、航空郵便用切手として額面を訂正し1970年に発行されたものです。国際人権年に合わせて、当時ポルトガルからの独立戦争が続いていたアンゴラに対する支援をアピールする形で発行されたわけです。 なお、シエラレオネでは1964年から1971年にかけて、このようなシール式の変形切手が発行されています。 アンゴラの鉄道

続きを読む

アルジェリア民主人民共和国

世界の国々の地図切手、今日からはアフリカの国々54か国の紹介で、アジアと同様に国名の五十音順で取り上げていきます。まず最初は北アフリカのアルジェリアです。 アフリカ大陸北西部の地中海に面したマグレブ諸国の1つで、北部にアトラス山脈が隣国モロッコから連なり、その南にはサハラ砂漠が広がっています。主要都市は地中海沿岸やアトラス山脈山麓に分布しており、民族構成では遊牧民のベドウィン族を含むアラブ系が約4分の3、残る4分の1がベルベル系となっています。ともにアフロ・アジア語族に属するアラビア語とベルベル語が公用語で、旧植民地宗主国の言語であるフランス語も広く使われています。 上の切手は、1997年の国勢調査を記念して発行されたもので、家族構成を示すイラストとともにアルジェリアの国土の形態を表す輪郭線が描かれています。アルジェリアの人口は1997年には約2900万人でしたが、現在は約4400万人(2021年)に増加しており、人口の約90%は地中海性気候が分布する地中海沿岸に居住しています。 アルジェリアは原油の産出の多いOPEC(石油輸出国機構)の加盟国ですが、近年は天然ガスの産出も多く世界第10位(2020年)の産出をあげています。 アルジェリアの位置

続きを読む

パレスチナ

アジアで47か国以外に実質独立状態にある地域、今日はその最後としてパレスチナを取り上げました。1948年のイスラエル建国とその後の中東戦争を経て、1994年のオスロ合意に基づいてパレスチナ暫定自治政府が発足します。2012年に国連でオブザーバー国家の地位を得ており、現在130か国以上がパレスチナを国家承認していますが、日本はまだ国家承認をしていません。現在、自治政府による自治地域は、ヨルダン川西岸地区の約40%にあたる地域とエジプトに隣接するガザ地区からなっています。 上の切手は、1986年にクウェートからパレスチナ人民連帯国際デーを記念して発行されたもので、この国際デーは1977年11月29日に国連総会で定められたものです。図案にはパレスチナの地図(現在のイスラエルとパレスチナ自治区を含む地域)が描かれています。 アジア47か国以外で、実質独立状態にある地域として、台湾、北キプロス、パレスチナの3地域を取り上げましたが、これら以外にもコーカサス諸国では、ジョージア内のアブハジアと南オセチア、アゼルバイジャン内のナゴルノ=カラバフがあります。

続きを読む