アルゼンチンの南極領有主張切手
アルゼンチンの領有主張地図切手、まだまだあるということで、上の切手は1979年に陸軍地理局100年を記念して発行されたものです。地図にはアルゼンチンの領土を黄色で示し、さらに赤い線で囲っています。
南極大陸の一部も黄色になっているのが注目点ですが、南極大陸は1959年に調印された南極条約によって領土権は凍結されています。しかし、南極大陸に近い南半球の国や初期の南極大陸探検で実績のある国が、南極大陸を分割する形で領有権を主張しています。
アルゼンチンや隣国チリもその一つで、それぞれ自国の領有主張地域を地図で示す切手をしばしば発行しています。上の切手図案の地図は、正射図法の斜軸投影で描かれた地図で、地球を遠くから眺めた感じで描かれる特色の図法です。
よく見ると、経緯線が15度間隔で示されているのがわかります。ただ、南米大陸周辺は、アルゼンチンの中心部を通る西経65度を中心に正しい位置に描かれていますが、アフリカ大陸の描き方はかなりおかしい状態で、アフリカ大陸西端と南端は2本の経線すなわち15度の経度幅で描かれていますが、実際はその倍以上の35度の経度幅があります。無理やり図案の中にアフリカを詰め込んだ感じになっています。