ジョージア出身栃ノ心が大関昇進

大相撲夏場所で好成績をおさめた栃ノ心が、めでたく大関への昇進を果たしました。外国人力士として、モンゴル出身力士が席巻する大相撲ですが、この栃ノ心はジョージア出身です(以前、黒海という力士もいましたが)。 ということで、今日取りあげたのはジョージアの位置を示す地図切手で、1992年に国連加盟を記念して発行されたものですが、以前に紹介した切手と同図案の刷色、額面ちがいの切手になります。 このジョージア、以前日本ではグルジアと呼ばれていました。このグルジアはロシア語名からの音韻転記による呼称でしたが、ロシアとの関係が悪化する中、グルジア政府は各国に対して、国名を英語名での呼称に変更するように要請を始めました。日本でもその要請を受け入れ、2015年にジョージアへの呼称、表記変更を決定しました。 黒海とカスピ海にはさまれたカフカス地方に位置するジョージアですが、切手図案の地図には北緯42度と東経42度の経緯線が示されており、同一数字の経緯線が通るという珍しい国でもあります。そして、首都トビリシの位置も示されていますが、栃ノ心の出身地ムツヘタは、このトビリシから北西へ20kmの所にある古都の美しい町で、世界文化遺産にも指定されています。おそらく栃ノ心にとっても自慢の町でしょう。

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アメリカ大使館がエルサレムへ移転

先日、イスラエルのアメリカ大使館がテルアビブからエルサレムに移転したことが大きな話題になっています。このエルサレム、現状はユダヤ人の居住する西エルサレムと、旧市街を含みアラブ人(パレスチナ人)の居住する東エルサレムに分かれますが、第三次中東戦争以後はイスラエルが実効支配しています。イスラエルはこのエルサレムを首都としていますが、パレスチナ人はもちろん、国連もこれを認めていません。 ということで、今回取り上げたのは、このエルサレムの位置を描いた地図切手です。上の切手は、イスラエル建国直前の1948年に発行された暫定切手の一種で、イスラエル独立宣言の基になった、1947年の国連パレスチナ分割案を示す地図が描かれており、まさに歴史資料地図そのものです。 色のやや濃い部分がユダヤ人地区、やや薄い部分がアラブ人地区という分割案ですが、ユダヤ人地区の方が面積的に広く、条件の良い地中海沿岸部を多く含んでいるため、アラブ人側は当然この案を受け入れず、中東戦争へとつながっていきます。 この地図の黒く塗りつぶされている所がエルサレムで、国連分割案では三宗教の聖地でもあるエルサレムは永久に国連の監視下に置くことが決定され、現在もその立場が続いています。そのため世界各国のほとんどはテルアビブに大使館を置いているのが現状です。 ちなみに、現在のパレスチナ人自治区は、この国連分割案のアラブ人地区よりも面積的にさらに縮小されています。

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キラウエア火山噴火

先日、ハワイのキラウエア火山が噴火し、大きな地震も発生しました。噴火の長期化が心配されていますが、できるだけ早い鎮静化が望まれるところです。ということで、上に取りあげたのはハワイ諸島が描かれている切手で、1959年にアメリカから発行された航空切手です。 印面にハワイ諸島の主な8つの島が描かれています。一番南東(右下)にある最も大きな島が、今回噴火したキラウエア火山やマウナロア火山など活火山のあるハワイ島です。このハワイ島の真下、地球内部にはホットスポットと呼ばれる固定的なマグマだまりがあり、そのマグマが噴き出してきたわけです。 ハワイ諸島は、地球表面を覆うプレートの1つで広大な太平洋プレートの上に乗っており、全体としてこのプレートは西へ向かって動いています。そして日本列島方面へ近づくと、他のプレートとぶつかって沈み込んでいきます。 したがって、このハワイ島の活火山もホットスポットからずれると、やがて活動をやめて火山だけが残ります。現在、ハワイ島以外の7つの島には活火山はありません。そしてハワイ島の東には、将来新しい火山島が出現することになるのです。 切手印面をよく見ると、ハワイ島やホノルルのあるオアフ島などの各島がレリーフ表現で立体的に描かれているのがわかります。一種のレリーフマップと言うことができます。

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