空中写真から作られる地図

 上の切手は2016年にコロンビアから発行された興味深い地図切手です。印面には大きく同国の地図が描かれているのですが,中央に飛行機が描かれ,それより下,すなわち同国の南部は1913年の地図,上側の北部は2009年のランドサットの衛星画像を加工した画像地図が描かれています。  昔は測量隊員が現地調査をくり返して膨大な時間をかけて作成された地形図ですが,その後このような飛行機により撮影された空中写真をもとに作成する空中写真測量が地図作りの中心になっています。  図案はその空中写真撮影のイメージ図ということですが,今後さらに衛星画像,GPS測量の技術が地形図作成に取り入れられていくことになると思います。

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イタリア トスカーナワイン

最近手に入れた地図切手がほとんど未整理のまま放置されているので、GW中に少しは整理しようと思いましたが、なかなか進まないのが現状です。そんな中で今日取りあげた1枚が上の切手で、昨年イタリアからトスカーナ大公国のワイン法300年を記念して発行されたものです。 フランスと生産世界一を争うワインの本場イタリアですが、1716年に、当時のトスカーナ大公であったメディチ家のコジモ3世によって生産地の線引きが行われ、ワインの原産地呼称制度の始まりと言われています。 切手図案にはトスカーナ州の地図の中に当時線引きの対象となった四つの産地の地名と場所が示され、コジモ3世と共に描かれています。 ワイン通の人には、なかなかの地図切手ということになります。 [エラベル]ポッジアサイ [2010] ポッジョ・ボネッリイタリアワイン トスカーナ 赤ワイン[erabell]deal

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バビロニアの世界図

 昨日の切手と同じくアルメニア発行での同時発行の古地図切手です。  上の切手図案は,地図の歴史を語る時には必ず登場する,粘土板に描かれた古代バビロニアの世界図で,現存最古の世界図(最古の地図ではなく)と言われており,製作年代は紀元前6世紀とされています。  印面右側にこの地図の再現図が描かれていますが,世界の陸地は円盤状で,その周囲を海が環状に取り囲み,その彼方には7つの別世界の想像上の陸地が存在する。円盤状の陸地にはペルシャ湾や山地,湿地も描かれ,中心が首都のバビロンでそこをユーフラテス川が流れている。これが当時のバビロニア人の世界観であり,この地図は世界地図ということになります。  この地図もなかなか切手図案には登場しなかったので,貴重な1枚になりそうです。

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