今年の1枚

今年も残り少なくなってきましたが、何と1年ぶりに更新です。前回では今年の一枚という記事でしたが、本年も同様タイトルの2015年版です。ただ、今年発行されたというわけでなく、今年私が入手した切手ということで、実際の発行は2014年です。 前置きはこれぐらいにして本題ですが、上の切手は旧ソ連のアルメニアから発行された、古代都市を題材にした切手の一種です。古代アルメニア王国の首都ティグラナケルト付近を描いた古地図が図案になっています。 古代アルメニア王国は紀元前190年から紀元前66年まで独立した王国として栄え、その後ローマ帝国、ペルシャ帝国の支配を受けますが、最盛期は現在のトルコ東部、レバノン、シリアを含む地域を支配した強大な国でした。 地図の中にメソポタミアの地名があるように、チグリス川上流の地域にあたるわけですが、図中左上の家のマークが二つ並んでいる所がティグラナケルトにあたります。この名前、現在の地図をさがしても見つかりません。1515年のオスマントルコの占領以降、現在はトルコの領土になっており、名前もディヤルバクルと変わっています。現在はトルコ東部のいわゆるクルディスタン(トルコ東部と隣国にまたがるクルド人居住地域)の中心的都市になっています。このクルディスタン、IS(イスラム国)の動向と共に、今年よくニュースに登場した地域ということになります。 この地図切手を今年の1枚に選んだのは、この地図が「地図の歴史」を語…

続きを読む