ルハーンシク(ルガンスク)

   ウクライナ地域シリーズ、今日取り上げたのは前回のドネツク州と同様、親ロシア派が住民投票の実施を決めた東部の州ルハーンシク(ロシア語名ルガンスク)です。  このルハーンシク州はロシアと国境を接しており、親ロシア派が多い州ですが、民族的にロシア人が多いという訳ではなく、住民の民族構成はウクライナ系58%、ロシア系39%という構成になっています。  また、ドネツク州との共通点として、旧ソ連時代そして現在のウクライナでも重工業地帯を形成している点です。ドネツクやこのルハーンシクが、もしロシアへの編入ということになれば、ウクライナにとって大きな打撃になることは間違いなく、ウクライナの立場からすれば、これを認めない当然ということになります。

続きを読む

ドネツク

     ウクライナの地域シリーズで、クリミアを紹介してきましたが、今日は同じく親ロシア派が多く、自治権の拡大を要求しウクライナからの分離の可能性もある東部の州ドネツクです。  現在、市庁舎などが親ロシア派武装勢力に占拠されているドネツクは、切手図案の地図中に赤い線で示されているように、ウクライナ東部に位置しますが、図案からもわかるように、旧ソ連時代はソ連最大の炭田として知られたドネツ炭田があります。この炭田を背景にソ連最大の重工業地帯を形成していました。  当然、現在でもウクライナ経済を支える中心的な工業地帯ということになります。

続きを読む

セウ゛ァストポリ

   前回、ウクライナの地域シリーズ切手でクリミア自治共和国を紹介しましたが、そのクリミア半島の一部に同自治共和国には属さない地域があります。  ウクライナの行政区分は24州、1自治共和国、2特別市からなっており、1自治共和国がクリミアになるわけですが、2特別市は首都のキエフともう一つクリミア半島南西部に位置するセウ゛ァストポリです。  上の切手は、地域シリーズの一種で、このセウ゛ァストポリもきっちりと発行されています。同市は黒海に面する要塞の地として軍事上極めて重要な位置にあり(切手印面の地図では赤い点で示されている)、ソ連時代にもクリミア州の一部ではなくキエフの直轄下に置かれました。そして、ソ連崩壊後もウクライナの海軍司令部だけでなくロシアの海軍基地が置かれ、2017年までロシアが租借することになっていました。  今回のクリミア問題で、このセウ゛ァストポリもクリミア自治共和国とともに主権宣言を行い、ロシアへの編入という形になっていますが、クリミア同様、ウクライナ、EU、アメリカ陣営は認めていない状況になっています。

続きを読む