200海里経済水域(2)

 前々回にエクアドルの200海里経済水域の範囲を描いた地図切手を紹介しましたが,これと同じような地図図案の切手を今日も取りあげます。  上の切手は1978年にニュージーランドから海洋資源をテーマに発行されたセット切手の1種です。ニュージーランド本島の北島,南島の周りだけでなく,周辺に分布する島や諸島の周りにも円弧状の経済水域が広がっているのがわかります。とくに,北部に連なるケルマデック諸島の周囲にはほぼ楕円状に200海里水域が分布しています。  日本もこれら両国と似た状況にあり,最南端の沖ノ鳥島,最東端の南鳥島の周囲には円状に200海里水域が広がります。これらの円の面積は,1海里が1.852kmなので,その200倍の約370kmの2乗×円周率3.14ということで,日本の国土面積38万平方キロを少し上回る約40万平方キロという広大な範囲となります。  日本も同様の図案の地図切手を発行してほしいところですが。

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ガラパゴス諸島の島名

 引き続いてエクアドルの地図切手ですが,今日は前回の記事の中にも出てきたガラパゴス諸島の純地図切手です。上の切手は同国から1936年に,ダーウィンのビーグル号によるガラパゴス諸島訪問100年を記念して発行された切手の1種です。  切手印面には,同諸島の各島がそれぞれの名称とともに詳しく描かれており,経緯線も一本ずつ示されています。この経緯線の記載が地球上での絶対位置を示すことのできる地図の必須条件とも言えます。  よく見ると,エクアドル本土と同様,緯線は0度すなわち赤道が通過しています。そして経度は90の数字が示されていますが,西経90度の経線ということになります。  このガラパゴス諸島の各島の名をよく見ると,主島のイサベラ(コロンブスの航海を経済的に援助したスペイン女王)のほか,クリストバル(コロンブスのスペイン名はクリストバル・コロン),サンタマリア(コロンブス航海の旗艦の船名)とコロンブス関連の名が付けられています。  これらの島の名は,一般的な地図帳などでは記載されていない場合が多く,この地図切手の資料価値は非常に大きいということになります。

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200海里経済水域

 久しぶりの更新ですが,ずっと続いているエクアドルの地図切手を今日も取り上げます。前回は空からの空中写真ということでしたが,今日は逆に海に関係のある地図切手です。  上の切手は1979年に200海里水域設定25年を記念して同国から発行された切手の1種で,印面にはエクアドルの200海里経済水域の範囲が描かれています。  この地図をよく見ると,エクアドルは北はコロンビア,南はペルーに挟まれているため,海岸線における両国との国境から太平洋沖合200海里までの緯線に沿う2本の直線と,領土の海岸線から200海里沖合の海岸線と同じ形の曲線によって囲まれた範囲が経済水域になっていることがわかります。  さらに,西方沖合にはこれを上回る範囲の経済水域が円形に近い形で示されていますが,これはエクアドルの領土である,あの有名なガラパゴス諸島にともなう水域ということになります。

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