パナマ

 前回の記事の中で紹介したようにグランコロンビアから分離独立したうちの一つにパナマがあります。ということで今日はそのパナマの地図切手です。  この地図図案の切手は類似の図案も含めて,コロンビア時代(コロンビア表記)の切手,それを台切手にして独立直後にPANAMAの加刷をして発行された切手やPANAMA表記の正刷切手,さらに運河地帯がアメリカ合衆国の租借地になったことから,PANAMA加刷の切手にさらにCANAL ZONEの加刷をして発行されたもの,PANAMA表記の切手にCANAL ZONEの加刷をしたものと実に多くの種類が発行されています。  さらに多くの刷色,額面ちがい,加刷のバラエティと多種多様ですが,上の切手はその中からPANAMA表記のの正刷切手の見本切手です。ラテンアメリカ諸国の見本切手にはSPECIMENの加刷に加えてコントロールパンチと呼ばれる穴が開けられているものが多く見られます。  図案の地図をよく見ると,パナマ運河のカリブ海側の起点の町の名COLONが描かれていますが,これはコロンビアの国名と同様,コロンブスにちなんだ地名で,コロンブスのスペイン名クリストバル・コロンからきています。

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グランコロンビア

 前回,コロンビアの領土を示す地図切手を紹介しましたが,今日も同じく同国の領土を示す地図切手です。図案の地図をよく見ると,現在のコロンビアより広い範囲に領土が描かれています。コロンビア以外に現在のベネズエラ,エクアドルそしてパナマを含んでいます。  この切手は,1969年にベネズエラからグランコロンビア設立150年を記念して発行されたもので,コロンビアは1819年に,これら現在は4つの国の範囲を含む国,グランコロンビアとしてスペインからの独立を達成した経緯があります。  しかし,このグランコロンビアという国は短命に終わります。1830年にはエクアドルとベネズエラが分離独立し,さらにパナマ運河建設を巡る攻防で,パナマもアメリカの支援を受けて1903年に分離独立し,現在のコロンビアの領土になったという変遷の歴史があります。

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コロンビア

 前回のワシントンDCの切手で,その名称の後半部がコロンブスにちなんでいると紹介しましたが,そのコロンブスの名を国名に用いた唯一の国が南米のコロンビアです。ということで今日はそのコロンビアの地図切手です。  上の小型シートは1948年に第9回のパンアメリカン会議開催を記念してコロンビアから発行されたもので,切手面には南米大陸の地図が描かれ,その中にコロンビアの位置を示した国境線が示されています。地図としては非常にシンプルで,南米大陸の中での同国の位置が本当にわかりやすい地図になっています。また,切手印面も無目打で色も渋く,なかなか品のある小型シートだと思います。  地図の描き方にも色々ありあすが,自国だけの情報を示すという単純明快さの表れた地図になっています。 ちなみに同会議は南北アメリカ大陸の国が参加する会議として第1回はアメリカ合衆国のワシントンDCで開催されました。そしてこのコロンビア開催の第9回会議で,米州機構(OAS)の設立が決定されることになります。

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