トルデシリャス条約

 一昨日紹介したブラジル切手にはトルデシリャス条約による分割線である子午線が描かれていましたが,今日は同じ線が描かれている切手をもう一枚ということで,今回のブラジル切手展の当方の作品にも使用した切手です。    上の切手は同じくブラジルから,そのトルデシリャス条約500年を記念して1994年に発行された小型シートの切手面です。前回の切手と違って16世紀の古地図に実際にはっきりと描かれています。  ちなみに,今回の作品では小型シートをそのまま使用せず,思い切って切手部分だけを切り離してリーフ上に貼り付けました。これはリーフ上でのマテリアルのバランスの問題を考慮したもので,小型シート全体ではスペースをとりすぎるということと,シート地が切手部分とは図案的に連続しておらず,全く別の帆船の図案ががかなり強い色彩で大きく描かれているため,色合いもシックな古地図の部分だけ使用したものです。  切手面に料額が記載されていない無額面切手ですが,実際には当時の第一種国際郵便用の切手ということになります。

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お久しぶりです

 前回の記事以来ほぼ11ヶ月ぶりの更新ですが,実際の所はこの期間,切手に関する趣味の時間のほとんどは「あること」に専念していました。それは先日(19日~24日)開催されたブラジル国際切手展出品のための準備と作品製作でした。この切手展も無事終了し,前回出品した2011年の横浜国際展よりも賞もランクアップし,ホッとして喜んでいるところです。    またぼちぼち更新していきますと言うことで,今日取り上げたのは今回の切手展開催国ブラジルの地図切手です。上の切手は1932年に発行されたもので,1532年のブラジル最初の植民基地建設から400年を記念して発行されたものです。  南米大陸の地図の中にブラジルの部分が濃い色で示され,その広大さがわかりますが,その中に赤道および一本の子午線が描かれています。この子午線はコロンブスのアメリカ大陸発見航海の2年後,1494年にスペイン,ポルトガルの植民活動を調整するために,両国間で結ばれたトルデシリャス条約による境界線で,新しく発見された土地はこの線の西側はスペイン,東側はポルトガル領となる分割線です。  ほぼこの線上に位置するのが,ポルトガル最初の植民基地サンビセンテで,切手の地図にも小さい字で示されています。

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