ルイジアナ購入

 今日も前回同様,1976年にセイシェルから発行された,アメリカ合衆国200年を記念して発行された切手の1種で,歴史的事件のうち,今日の切手図案は1803年のルイジアナ購入を取りあげています。  図案には1803年にフランスから購入した,当時のフランス領ルイジアナ地方の地図とその大仕事をやってのけたアメリカ合衆国第3代大統領トマス・ジェファーソンの肖像が描かれています。  このルイジアナ購入のフランス側交渉相手が,ナポレオン1世ということになります。ナポレオンは対英戦争(1803年の英仏戦争)を前にしていたため全ルイジアナ地方の売却を提議し,1500万ドルでアメリカが購入することになります。前回紹介したアラスカ同様,何と安い買い物だったかがわかります。  このフランス領であったルイジアナ地方,現在の州では,北はモンタナ,ノースダコタ州から南はミシシッピ川河口のルイジアナ州まで13州に及んでいます。

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アラスカ購入

 アメリカの州地図切手,今日も前回に続いてアラスカ州です。上の切手はアメリカの切手ではなく,1976年にインド洋に浮かぶ島国セイセェルからアメリカ合衆国200年を記念して発行された切手の1種です。  セットで発行された切手には,アメリカの歴史に関する画期的事件がそれぞれ図案になっており,今日の切手はそのうちのアラスカ買収を取りあげたもので,アラスカ州の地図と当時のアメリカの国務長官スワードが描かれています。  このスワードによる交渉によって,前回も書いたように1867年にロシアから720万ドルでアラスカを買収したアメリカですが,そのすぐ後に石油,金がこのアラスカから発見されたことで,非常に安い買い物をした結果となります。  ちなみにアラスカ州の名は,このスワードが先住民アリュート人の言葉のアラアスカ(島に対する本土,大きな土地の意),から名付けたと言われています。

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アラスカ州

 アメリカ合衆国の州地図切手,今日は北へ飛んでカナダの領土をはさんで位置する,いわゆる飛び地州のアラスカ州です。上の切手は1959年にアラスカの州昇格を記念して発行された航空切手で,図案には北斗七星とともにアラスカ州の地図が描かれています。  地図を見てわかるように東側に直線の州境界がありますが,これはカナダとの国境で西経141度の経線になります。残りの北側,西側,南側はそれぞれ海に面する海岸線で,北極海,ベーリング海峡,太平洋に面しています。特に南東部は複雑な沈水海岸の海岸線がカナダの領土に食い込むように続いています。  このアラスカは1867年にアメリカが,植民地経営に行き詰まったロシアから720万ドルで買い取りますが,その翌年の1868年に北部のプルドーベイで石油が発見されたのに次いで,中部では金鉱が発見されゴールドラッシュを迎えます。以後白人の入植が進み,イヌイットやインディアンなどの先住民は州人口の68万人のうち約15%になっており,白人が70%を占めています。  アラスカ沿岸はサケ,マスなどの漁場としても知られますが,現在の主要産業はテキサス州に次ぐ産油量を誇る石油ということになります。

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