酪農州ウィスコンシン州

 アメリカ合衆国の州地図切手,今日は五大湖沿岸州の一つウィスコンシン州です。上の切手は1948年に同州100年を記念して発行されたもので,図案には州会議事堂の建物と同州の地図が描かれています。  ウィスコンシン州は全米一の酪農州として知られています。デンマークやドイツ系の移民が,冷涼な気候条件やかつて氷河におおわれていたというやせた土壌で穀物栽培に不利であるという土地の条件が故国に類似している同州で酪農経営を始めたことが要因ですが,乳牛の頭数やチーズ,バター,牛乳の生産などが全米の上位に位置しており,州のニックネーム「アメリカの酪農国」は車のナンバープレートにも記載されています。  ただ,日本では札幌,ミュンヘンと並称されるビールの町で,スワローズから移籍した青木外野手が所属するメジャー球団のブルワ-ズ(醸造人)の本拠地もあるミルウォーキーの方が有名かもしれません。  図案の地図をよく見ると,北東部に細長く突きだした変形部分がありますが,これは東に位置するミシガン湖の湖岸線に当たる所で,ちょうど1948と書かれている部分がミシガン湖の位置になり,ミルウォーキーもこのミシガン湖畔にあります。

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ウェストバージニア州

 アメリカ合衆国の州地図切手,今日はウェストバージニア州です。上の切手は1963年に同州100年を記念して発行されたもので,切手図案には州議事堂とともに同州の地図が描かれています。  図案の地図は州の輪郭だけが示されたいわゆる白地図のようになっていますが,その外形は地形的な要因もあって,アメリカの中ではめずらしく複雑な形の州になっています。  ウェストバージニア州は,実際にはアパラチア山脈の一角を占める山岳州ですが,州の名前が示すようにバージニア州から西部地域が分離して新たに州になった歴史があります。  その分離の背景は南北戦争に関係があります。イングランド系の多い東部が優位であったバージニア州は奴隷制に対して賛成の立場をとり,北部連邦を脱退して南部同盟に加わりましたが,奴隷制に反対だったアイルランド系の多い西部は北部連盟に残留し,結局1863年に分離することになります。  奴隷制に反対したにもかかわらず,現在,全米を代表する大都市がなく黒人の就業機会が少ないということもあって州人口の黒人比率は3.5%と少なく,圧倒的に白人の多い州になっています。図案の地図が白地図なのは,まさかそれが関係しているとは思いませんが。

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フロリダ州(2)

 アメリカ合衆国の州地図,前回取りあげたフロリダ州ですが,切手図案の地図が紋章の中に描かれた古地図だったので,今日は現在の地図ということで,今回もフロリダ州の地図です。  上の切手は1947年にエバーグレーズの国立公園指定を記念して発行されたもので,図案にはフロリダ州の地図が大きく描かれています。同州は大部分がフロリダ半島ですが,図案の地図にも示されているように,その先端部を占めているのがエバーグレーズ国立公園です。  同国立公園は湿地帯をなし,マングローブ林,砂浜海岸が続き,多くの野生動物,湿地性植物の宝庫となっています。図案には地図とともにオオシロサギも描かれています。

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