日本統治時代のフィリピン切手

  前回,アメリカ統治時代におけるフィリピンの地図切手を紹介しましたが,その記事の中でも書いたように第二次大戦中の1942~1945年は日本が統治していました。 ということで,今日はその日本統治時代のフィリピンの地図切手ですが,上のカバーはその地図切手発行時の初日カバーです。左の2枚がその切手に該当しますが,1943年に日本統治下で発行されたバタアン・コレヒドール陥落1周年の記念切手です。   コレヒドール島は18世紀にスペイン人が要塞を築いた島で,アメリカはさらに島全体を要塞化しました。そしてこれを日本軍が攻略して陥落させた歴史があるわけです。 この切手図案の地図にはマニラ湾に突き出すバターン半島とその沖合に浮かぶコレヒドール島が示されています。印面のカタカナ表記が何とも特徴的です。   ところでこの初日カバーですが,元はアメリカ統治時代の公用葉書で,その料額面のアメリカ表記部分と料額面下の公用(O.B.)表記部分,そしてマニラの市章部分を黒塗りで加刷抹消しています。そして日本統治下で発行された附加金付切手も貼られています。さらに右下には大日本憲兵隊の検閲印が押されているという,なかなか賑やかなカバーです。   このカバーに貼られている日本統治時代の切手は,いわゆる南方占領地切手と呼ばれる切手の1種で,さくら日本切手カタログにも採録されています。

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アメリカ統治下のフィリピン切手

 フィリピンの地図切手が続いていますが,今日の切手は1937年にマニラでの第33回キリスト教会議を記念して発行されたもので,図案はフィリピンの純地図切手という感じです。  以前紹介したように,フィリピンはスペインの支配による影響でカトリック教徒が圧倒的に多い国ですが,そのスペインの支配も米西戦争の結果,1901年にはフィリピンはアメリカに割譲され,1942年に日本が占領するまでアメリカの統治下になります。  したがって,この切手はそのアメリカ統治時代の切手ということになり,印面上部にはUNITED STATES OF AMERICAの文字も確認できます。

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フィリピン附加金付切手

 前回スペイン人のフィリピン,セブ島への到達ルートを描いた地図切手を紹介しましたが,今日はそのフィリピンの地図が大きく描かれた切手です。  上の切手は1963年に同国から発行された結核予防運動のための附加金付切手で,フィリピン諸島の地図とダブルクロスマーク(複十字)が描かれています。  図案の地図でわかるように,フィリピンは多くの島からなる島国ですが,実際には首都マニラのあるルソン島や,昨日台風の大きな被害があったミンダナオ島をはじめとして約7000もの島があります。切手図案の地図の縮尺では,一部の島しか描かれず小さな島は省略されているわけですが,ダブルクロスマークの下部東側に位置する細長い島がセブ島ということになります。  このセブ島の中心都市セブ市は最初にスペイン人が植民地化した都市ということもあり,歴史的遺物も多く残るセブ都市圏は,フィリピンではマニラ首都圏に次ぐ大都市圏を形成している。

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