エルカノ
前回マゼランの世界周航路のルートマップを紹介しましたが,その時にも書いたようにマゼラン自体はフィリピンで住民との争いに巻き込まれて死んでしまいます。したがって世界周航を成し遂げたのはマゼラン一行と書くのが正しいということになるかもしれません。
そこで今日は,マゼラン死後に世界周航を完成させてスペインへ帰還したビクトリア号の指揮官エルカノを描いた切手です。上の切手は1994年にノーフォーク島から発行された探検家シリーズの1種ですが,エルカノの肖像と航路を描いた地図が図案になっています。
ところがよく見ると,描かれている航路はスペインから南米最南端を経て太平洋に入りフィリピンまでのマゼランが指揮をしたルートです。エルカノを題材にした切手ならば,フィリピンからスペインへの帰還ルートを描いても良さそうなのですが,と思ってさらによく見ると,印面上部には初期の太平洋探検家とこの切手シリーズのタイトルが入っていました。
ということで納得したのですが,このシリーズの額面ちがいでマゼランを描いた切手も発行されており,同じ航路が描かれています。よく考えてみれば,フィリピンまではマゼランが指揮をしたわけでエルカノはその部下の一人になります。すなわち,エルカノをこのシリーズに登場させるのも何となくおかしいような感じもするのですが。