チュニジア独立年

 北アフリカの国々の地図切手を続けていますが,もう一国ということで,今日はチュニジアです。上の切手は1958年に同国から発行された独立3周年を記念する切手で,図案には同国の地図とその中央に国旗中央部と同じデザインの三日月と星が描かれています。  独立3周年ということで,図案の地図下部には1955-1958,6月1日の年月日が記載されています。ところが世界各国を紹介するガイド本,要覧,事典などを見ると,チュニジアの独立年はどの文献も1956年となっています。  このちがいの真実は?ということになりますが,実はこの切手,再発行切手ということで,この切手の発行2ヶ月少し前の同年3月20日に,同図案刷色ちがいで独立2周年の記念切手が発行されています。  この謎解きは,当初発行の2周年記念切手に示されている1956年3月20日は完全独立を表しており,各文献にも通常はこの年が独立年として記載されています。一方,1955年6月1日はフランスからの独立運動の結果,内政上の自治が認められた日で,こちらを基準に考えると3周年ということになるわけです。

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リビア国旗

 北アフリカの国々の地図切手を続けていますが,今日はカダフィ政権崩壊ということで,今話題のリビアの地図切手です。    上の切手は,1956年にリビアの国連加盟1周年を記念して発行されたもので,図案にはリビアの地図が描かれていますが,その中央に国連本部ビルをはさんで左側に国連旗,右側にリビア国旗も描かれています。(画像はクリックで拡大されます。)  現在のリビア国旗はカダフィ大佐によって緑一色の国旗に変えられてしまいましたが,最近のニュース映像などを見ると,反体制派が掲げている旗は,この切手図案の旗と同じ様です。ということは新しい政権が誕生すると国旗も元通りに戻ることになりそうです。  図案の地図をよく見ると,地中海沿岸に首都のトリポリと先日まで反体制派の拠点であったベンガジの両都市がしっかりと描かれています。

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西サハラの独立は

 先日紹介した南スーダンの独立に対して,いまだ住民投票が実施されず独立直前までいきながら独立できないのが西サハラです。  西サハラはスペインの植民地撤退により,1976年サハラ・アラブ共和国として独立を宣言しますが,モロッコが領有を主張し紛争が現在まで続いています。国連の仲介で西サハラ地域での独立を問う住民投票が行われることが決まりましたが,未だに実現していません。  モロッコはこの西サハラ領有を主張するために,政府が組織した「緑の行進」と呼ばれる住民によるデモ行進を実施しましたが,その32周年記念して2007年に発行されたのが上の切手です。  近年,モロッコから発行される地図切手は,必ず西サハラを含めてモロッコの領土を描いており,その領有をしっかりと切手でアピールしています。

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