ジャージー島

 今日は先日のマン島に続いて,同じくイギリス領の島で,郵政が独立し独自の切手を発行しているジャージー島の古地図切手です。  イギリス海峡に浮かぶジャージー島は,以前紹介したドイツのシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州が原産のホルスタイン種に対して,ジャージー種の乳牛が原産の島ですが,上の切手は1980年に要塞300年を記念して発行されたものです。  図案になっているのは1680年のジャージー島の古地図で,よく見ると,北岸の複雑な海岸線の様子や東岸,南岸,西岸に分布する遠浅の海岸などが高い精度で描かれています。わかりにくいですが,これら海岸部に同年建設された3つの要塞が記されています,

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マン島(3)

 マン島の地図シリーズ切手を2回続けましたが,私にとってもお気に入りのシリーズ切手ということで,最後にもう1枚登場させました。  上の切手は,1605年製作の古地図が図案になっています。前回紹介した切手図案の地図が1693年のものですから,こちらの方が約90年早いということになります。この90年の差は大きいということになるのですが,やはり,上の地図は実際のマン島とくらべても,かなり 南北に細長い形態になっています。  このように地図の歴史をたどると,一般的にはその精度がどんどん高くなっていく様子がよくわかります。また,地形の表現方法も変化していきます。  そういった意味で,自国の各時代の地図をシリーズで発行してくれる国は,地図切手ファンとしてはたまらない存在です。

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マン島(2)

 先日マン島の地図シリーズ切手の1種である古地図切手を紹介しましたが,以前にも書いたように,日本ではこのような地図シリーズの切手がないので羨ましいかぎりです。  ということで,今日も続いてマン島から2007年に発行された同シリーズの切手を取りあげますが,上の切手は1693年製作の地図が描かれている1枚です。  図案の地図を見ると,海岸線の入り組んでいるマン島の形態がよくわかります。放射状の方位線が示されるポルトラノ海図の1種ですが,右上に海上から見た島の景観図が示されているのは,この時代の海図の特色の一つです。  さて,マン島が描かれている現在の地図と見くらべてもらえばわかるのですが,この図案の地図は上が北ではありません。ちょっとわかりにくいのですが,ルーペで注意深く覗くと,地図の中央左側の方位盤の右側が北を示しているのが判別できます。

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