伊能図
今日,私の地元の県で開催されている,伊能忠敬日本測量210周年記念「完全復元伊能図全国巡回フロア展」を訪れました。
江戸時代末期,日本で初の実測による科学的地図を製作したことで知られる伊能忠敬,その地図は総称して伊能図(正式には大日本沿海輿地全図)と呼ばれ,大図(214枚で日本全域),中図(8枚),小図(3枚)と縮尺の異なる地図があるが,日本だけでなくフランス,アメリカに分散していた副本の伊能図を完全復元して,体育館のフロアに敷きつめて,その上を自由に歩いて見ることができ,迫力と精巧さを堪能できるという展覧会です。
地図ファンとしてはたまらない企画ですが,岩石海岸と砂浜海岸の描写のちがいや詳細な地名の数々,各測量地点からの内陸部の山に伸びる多数の方位線など十分に堪能しました。
ということで,今日取りあげたのは,新文化人切手シリーズとして1995年に発行された切手の記念カードで,切手は伊能忠敬の肖像とともに伊能図のうちの中図の関東地方の部分が図案になっています。カシェの部分に切手図案の拡大図があるのでわかりやすいですが,海岸線の正確さが読み取れます。
外国には自国の古地図の切手をシリーズで発行している国がありますが,日本でも中図8枚で日本をカバーしているこの伊能図を,シリーズ切手として発行してほしいぐらいの史料価値のあるすばらしい地図です。