パラグアイ

 ワールドカップサッカー,対デンマークに勝って決勝トーナメント進出を果たした日本,いよいよ明日はパラグアイと対戦ということになります。  そこで,デンマークに続いて今日はパラグアイの地図切手を取りあげますが,上の切手はパラグアイとボリビアの間で起こったチャコ戦争終結にともなう1838年の講和条約の結果,新しく画定した国境を示した1939年発行の切手で,パラグアイの領土がはっきり描かれています。  南米中南部に位置するチャコ地方は,スペイン植民地時代から総督間で帰属が争われていましたが,19世紀に入ってボリビア,パラグアイ両国が独立した後も係争が続き,その領有をめぐって1932年~35年にかけてチャコ戦争が起こりました。  実はこの戦争と並行して両国はチャコ地方の領有を主張する地図切手を多く発行していますが,上の切手はその決着版切手という感じになっています。図案の地図でわかるように,戦争はパラグアイの勝利なり,係争地のチャコ地方はほとんどがパラグアイ領になり,現在の同国の領土が画定したわけです。

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デンマーク古地図

 話が変わりますが,昨日のワールドカップサッカー,対デンマーク戦での勝利で,日本は決勝トーナメント進出を決めました。  そこで今日は,そのデンマークの地図切手ということで,昨年発行された同国の古地図シリーズ切手の1種を取りあげます。上の切手の図案の古地図は,同国の官製の正式な地図としては最初のもので,1841年に王立科学文学アカデミーによって製作されたものです。  デンマークは国土全体が海抜200m以下という平野の国ですが,この地図をよく見ると,陸地部の水系が詳細に示されています。そして海洋部では(ちょっとわかりにくいですが)等深線や水深が示されており,海図の要素も取り入れています。  今から150年以上前の地図ですが,非常に精度の高い地図ということができます。

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シェンゲン協定

 国際機関の加盟国を示す切手が続きますが,今日は新着切手からということで,上の切手は昨年バルト3国の一つリトアニアから発行された,リトアニア1000年シリーズの第9次連刷シートの中の1種で,同国が2007年に加盟したシェンゲン協定の加盟国を示す地図が図案になっています。  このシェンゲン協定というのは,国境での検問廃止による各国民の自由移動に関する協定で,EUの市場統合にともなう人の移動の自由を実現するためのものです。  1990年にルクセンブルグの小村シェンゲンでベネルクス3国,西ドイツ,フランスの5ヶ国が調印したのがはじまりで,その後加盟国が順次増加して1995年に発効し,現在は2007年に加盟したこのリトアニアも含め,図案の地図に青い色で示された国々が加盟しています。   よく見ると,イギリスなどEU加盟国でもこの協定に参加していない国もありますが,逆にEU非加盟のノルウェー,アイスランドは参加しています。

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