アフリカ統一機構(2)

 一昨日に続いてアフリカ統一機構の地図切手ですが,上の切手は1988年に同機構25周年を記念してモーリタニアから発行されたものです。  印面中央部のアフリカ大陸の地図を月桂樹の枝輪で囲んだものが,同機構のマークということになります。ここで注目してほしいのは,そのアフリカの地図ですが,大陸の周辺部に分布する大西洋やインド洋に浮かぶ小さい島や諸島までも見事に描いています。すなわちそこにも加盟国の独立国が存在しているわけです。  さらに,この切手は発行国のモーリタニアが自国の領土部分を,色を変えてその位置をわかりやすく描いています。機構のマークなので,本来の地図と同じように当然単色で描くべき所ですが,なかなか自己アピールの強い国ということでしょうか。  以前にも書きましたが,モーリタニアはサハラ砂漠西端の国ですが,イスラム国家で切手印面の表記にあるようにアラビア語が公用語でもあり,いわゆるアラブ国家の一つになります。ただ,旧フランス領西アフリカの一部であった同国はフランス語も使われ,切手の表記にもアラビア語に加えてフランス語も記されています。  なお,当ブログの更新は今日が年内最後ということで,年末年始はしばらくお休みをいただきますので御了解下さい。来年度も引き続きよろしく御願いいたします。

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アフリカ統一機構

 一昨日まで続けてきたアフリカ開発銀行,全アフリカ独立国が加盟している組織ですが,同じく全アフリカ的な国際機構としてアフリカ連合(AU)があります。今日はその前身であるアフリカ統一機構(OAU)に関する地図切手です  アフリカ統一機構(OAU)はアフリカ諸国が多く独立をした後の1963年に設立されますが,その当時からくらべて独立国はさらに増え,現在のAUは全独立53ヶ国のうち52ヶ国と1地域が加盟しています。その1地域とは西サハラのことで,その加盟承認を巡って,その西サハラの併合を主張するモロッコが脱退しています。  上の切手はアフリカ統一機構10周年を記念して1973年に発行されたもので,アフリカ大陸の地図が描かれた地図切手になっています。さて発行国はどこでしょうとなるのですが,アラビア語の文字から判断して北アフリカの国と判断できるのですが,LARの表記から正解はリビアということになります。当時の国名リビア・アラブ共和国からこの略称が記されています。

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アフリカ開発銀行(5)

 今日も続けてアフリカ開発銀行の切手ですが,上の切手は1974年に同銀行10周年を記念してガンビアから発行されたものです。見ておわかりのように,なかなか面白いデザインの地図切手です。  植木鉢にじょうろで水をやっている構図ですが,そのじょうろにアフリカ開発銀行のロゴマークが入っています。そして,鉢から伸びてきた茎の四つの葉には,農業,工業,輸送,公共サービスの関連図案が描かれており,同銀行からの融資がアフリカ諸国におけるこのような各産業部門の発展をもたらすという,同銀行のアピール効果満点のデザインになっています。  さらに,植木鉢にも同系統の色合いで,アフリカの地図が描かれているのも,なかなかのデザインです。

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