言語地図(2)

 一昨日,フィンランドの言語地図が描かれた切手を紹介し,その色分けで示された言語分布の詳細が切手図案ではわからないと書きました。そこで今日は,切手図案の言語分布の説明が記された地図ということで,同切手のFDC(初日カバー)を取りあげました。  上のFDCのカシェ部分には切手図案の区分と同じ区分が示された地図が大きく描かれ,その区分番号と凡例ごとに言語地域の説明が書かれています。ただ私の勉強不足で,まだ調べきっておらず,詳細は宿題として残っている状況です。  いずれにしても,このようなFDCのカシェ部分は,テーマティク作品においては空白部とみなされるために使用できない現実がありますが,切手図案の補足的説明の役割をしている資料価値の高いカシェは,テキストによる書き込みや図の拡大コピーで補足説明をするのと同じようにも思ったりするのですが。

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言語地図

 一昨日,地勢図が図案の切手を取りあげて,カナダのナショナルアトラスの刊行が世界で2番目であると紹介しましたが,それでは最初の国はということになるのですが,その国は北欧のフィンランドで,1899年のことです。  ということで,今日はそのフィンランドの主題図が描かれた切手ですが,上の切手は1976年に言語研究100年を記念して発行されたもので,ここしばらく続けた地質図や地勢図などの自然分野の主題図ではなく人文分野の主題図で,同国の方言の分布を示す言語地図です。  フィンランドの言語であるフィンランド語は,言語学的にはウラル語族のフィン・ウゴール語派に属し,ヨーロッパのほとんどの国の言語が属するインド・ヨーロッパ語族ではありません。  図案の地図には非常にきれいな色分けで言語地域が描かれていますが,先日も書いたように凡例区分が示されていないので,残念ながら切手だけでは言語分類の詳細はわかりません。

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地勢図

 しばらく地質図が続きましたが,今日は地勢図です。地勢図というのは地表の起伏の状態をおおまかに示した地図のことですが,起伏の表現には色分け以外にも各種表現法を併用する場合があります。  上はシートの一部で,2006年にカナダから地図帳製作100年を記念して発行されたものです。切手図案にはカナダの地勢図がレリーフ表現とともに色分けされて描かれています。アラスカを含むアメリカ合衆国の部分は一切示さず,本当にカナダの国土部分だけを描いている所が象徴的です。シート地からタブにかけても拡大図が描かれているところがデザイン的にも申し分ないところです。  ちなみに,地図帳製作100年ということは1906年が最初ということになりますが,以前紹介したナショナルアトラスを世界で2番目に刊行したのがカナダで,それがこの1906年に当たるわけです。

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