サモア

 突然話が変わりますが,日本時間の今日早朝,太平洋のサモア諸島の南方を震源とするM8の大地震が発生し,津波などによる被害状況が心配されます。  ということで,上の切手は以前にも紹介したことのある,1962年に西サモア(現サモア独立国)から独立を記念して発行された切手です。一昨日の切手もそうなのですが,当ブログでは過去に取りあげた切手が再登場することがしばしばありますのでご了承下さい。  図案にはサモア独立国の二つの主島,サバイ島と首都アピアのあるウポル島が経緯線とともに描かれています。その数字を読み取ると,南緯14度,西経172度ということで,南太平洋,西半球の一部で地域的にはポリネシアの一角になりますが,地質構造的にはトンガ海溝の北部に当たり,太平洋プレートとインド・オーストラリアプレートの境界付近で,地震の多発地帯ということになります。  なお,図案の国名表記は,独立当時の「西サモア」とサモア語で表記されています。すなわち,サモア諸島にはニュースでも報じられているように,このサモア独立国の東にアメリカ領サモアが分布します。

続きを読む

ボカシ

 イギリスの地形図切手が続きましたが,その中でケバや等高線といった起伏表現が使用されていました。地形の起伏を表す方法としては,その他にボカシという表現法があります。  ボカシというのは,土地の起伏に応じて色調の濃淡をつけ,連続的に描く表現法で,ケバとちがって現在でも各国の地形図に等高線と併用されている場合も多い。  上の切手はそのボカシで表現されている地形図を図案にした切手で,1970年にトルコから地形図製作75年を記念して発行されたものです。以前にも紹介したことのある切手ですが,私にとってのお気に入り地図切手の1種で再登場となりました。  等高線による表現も対比するように図案に描いていますが,立体感を表す起伏表現としてはもちろん,起伏の多い山岳地帯において,地図の美しさを映し出す手法としては最適な表現になっている。

続きを読む

地形図記号

 今日も続いて1991年イギリス発行の陸地測量局設立200年記念のシリーズの1種ですが,図案の地図はさらに新しく1959年製作のものです。  一昨日の地図とくらべると,等高線はうす茶色に色が変わり,ケバを用いた起伏表現は姿を消しているのがわかります。そして樹林地帯の緑の刷色はよりあざやかな緑色になっています。  さらに注意深く眺めると,樹林地帯の中に描かれているのが広葉樹林の記号ですが,日本の地形図記号にくらべるとより樹木らしい表現になっています。そして,中央部オレンジ色の道路が交わる所にある,P の文字は郵便局を表す記号,+ の記号は塔のない教会を表します。これらは逆に味気ない感じもしますが,地形図記号のお国柄が表されてなかなか面白い感じです。

続きを読む