オランダ領アンティル諸島

 カリブ海地域小アンティル諸島の非独立地域,今日からはオランダ領アンティル諸島です。同諸島は6つの島からなりますが,南北2つのグループに分かれます。先日まで紹介してきたアンギラの近くにセントマルティン,サバ,セントエウスタティウスの3島,そしてずっと南方,南米ベネズエラの北部沖合にアルバ,ボネール,キュラソーのABC3島があります。  全体としてオランダ領アンティルを構成し,オランダ王国の一部をなしていますが,内政の自治権は認められており,独自の切手も発行しています。同諸島は付加金付き切手の発行が多く,児童福祉や青少年保護の切手が毎年のように発行されます。  上の切手は2003年に発行された,付加金付き地図切手5種を組み合わせた小型シートの1枚で,カリブ海周辺の西インド諸島全体を描いた地図が図案になっています。経緯線の入った非常に詳細な地図ですが,小アンティル諸島の部分をルーペで覗いてよく見ると,オランダ領アンティルの部分は赤く色を変えて示しています。

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アンギラ(4)

 イギリス領アンギラが続きますが,このアンギラは主島のアンギラ島以外に属島が多く分布しており,いずれも主島同様に石灰岩質の小島です。上の切手は1979年に発行された,それら属島シリーズの6種を組み入れた小型シートです。  各切手は,まず主島のアンギラ島とその周辺の地図が描かれ,その中での各属島の位置を色を変えて経緯線とともに示しています。そして,その属島の地図を拡大図でやはり経緯線とともに描いています。  デザイン的には,このような小さい島を形態とともにその位置を示す手法としては最もすぐれた描き方ではないかと感心させられます。さらに印面下部には各島の遠景写真が挿入され素晴らしい出来映えです。  日本でもこのようなデザインで,瀬戸内海や南西諸島,伊豆諸島などの離島シリーズといった地図切手があったらなあとつい思ってしまいます。

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補足地図

 一昨日のアンギラ切手に関する補足ですが,紹介したのは1995年にカリブ開発銀行25年を記念して発行された連刷切手でした。アンギラの地図が描かれた切手の方に目がいくのですが,もう一方の切手にも丸い地図が描かれています。  この地図は,カリブ開発銀行のシンボルマークで,カリブ海地域の西インド諸島周辺を描いた地図になっています。同銀行はカリブ海諸国のうち,域内加盟国として旧イギリス領から独立した国とアンギラなど現在もイギリス領の地域が加盟しています。(例外的に旧フランス領のハイチも加盟)  さらに近隣地域加盟国として,メキシコ,コロンビア,ベネズエラが加盟していますが,このシンボルマークの地図をよく見ると,カリブ海諸国に加えて,カリブ海の西方と南方にそのメキシコ,コロンビア,ベネズエラの一部を描き入れた地図になっており,なかなかのデザインだと感心します。  ただ,丸いこの地図,一見方位図法の一種かと思いきや,経緯線が直交していることからそうではなく,単に経緯線直交の地図を丸く切り取った地図ということになります。

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