タークス・カイコス諸島(2)

 今日も一昨日に続いてタークス・カイコス諸島ですが,上の切手は1974年にUPU(万国郵便連合)100年を記念して発行されたものです。  図案には郵便帆船とともに,同諸島の地図が描かれていますが,一昨日の切手より島々が大きく描かれており,各島の名が記されています。  タークス諸島水道より東側の小さい2つの島がタークス諸島で,グランドターク島とソルトケイ島,西側の大きい島から成るのがカイコス諸島で,東西南北のカイコス島とミドルカイコス(グランドカイコス)島,プロビデンシアレス島があります。しかし,これらの島のうち,中心地(主都)は大きいカイコス諸島の方ではなく,小さいグランドターク島にあります。  ちなみに,UPU設立の1874年というのは,このタークス・カイコス諸島が同じカリブ海のイギリス領であったジャマイカの属領になった年でもあります。その後,1962年にジャマイカは独立しますが,同諸島はイギリス領として残ります。

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タークス・カイコス諸島

 大西洋で現在も独自で切手を発行している非独立地域は,先日紹介したサンピエール・ミクロンやバミューダよりさらに南下して,カリブ海地域に多く存在します。  ということで,しばらくそれらの地域を取りあげていきたいと思いますが,今日はイギリス領タークス・カイコス諸島です。同諸島は西インド諸島のイスパニョーラ島(ハイチとドミニカ共和国から成るる)の北方に位置し,文字通りタークス諸島とカイコス諸島から成っています。  上の切手は1950年に発行された,同諸島の風景などを描いた普通切手の1種で,経緯線の入った地図が図案になっています。この地図をよく見ると,タークス諸島水道と記されている狭い水域をはさんで,西側にカイコス諸島,東側にタークス諸島が分布していることがわかります。 ちょうど北緯22度と21度の間に収まっていますが,子午線上緯度1度の距離は子午線全周4万kmの360分の1ということで約111kmとなり,同諸島の南北間の距離は約100kmとわかります。

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サンピエール・ミクロン(3)

 今日でサンピエール・ミクロン3回目の登場ですが,砂州で繋がった独特のミクロン島の形態がすっかり頭に入った頃でしょう?  上の切手は1932年に発行された普通切手の1種で,両島の地図を中心に配し,それをはさんで両側には網を持った二人の漁師を描いています。  先日も書いたように,このサンピエール・ミクロンが位置するニューファンドランド島近海は,寒流のラブラドル海流と暖流のメキシコ湾流がぶつかる潮目があって魚種が豊富な上に,グランドバンクやサンピエールバンクなどの浅瀬があり,古くから漁場として開発され,世界有数の漁場となった所です。  切手印面下部の島名表記は,島の大きさに合わせたように,サンピエールよりミクロンの字が大きく書かれています。

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