仏領南極地方(2)

 一昨日のピノウィン島のあるクロゼ諸島からさらに南極へ近づいて,今日紹介するのは同じ仏領南極地方に属するケルゲレン諸島です。残念ながら切手図案には経緯線が示されていないのですが,同諸島は東経70度,南緯50度付近に位置し,数多くの島からなっています。  上の切手は,同地方の島々を紹介する地図切手の1種で,1969年に発行されたものです。図案の地図をよく眺めると,氷河の広く残る山頂部をもつ火山と,氷河の力によって侵食された谷が沈水したフィヨルドの海岸が見事にレリーフ形式で立体的に表現されており,一昨日の切手にもまして,感動的な芸術作品に仕上がった地図切手と言うことができます。

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仏領南極地方

 スタンプショウ関連の記事が続きましたが,再び非独立地域の地図切手に戻ります。先日は太平洋のフランス領の島々を紹介してきましたが,今日はインド洋のフランス領の島々です。  と言っても南緯40~50度付近の南方の島々で,フランスが領有を主張する南極大陸の一部とともに仏領南極地方と称され,独自の切手を発行しています。  上の切手は,その仏領南極地方の島々を紹介する地図切手の1種で,1988年に発行されたクロゼ諸島の中の一つピノウィン島を描いたものです。図案をよく見ると経緯線が示され,東経50度25分,南緯46度25分という数字から,インド洋南西部に位置することがわかります。実際にはマダガスカルと南極大陸のほぼ中間ということになります。  しかしながらこの切手をじっくり眺めると,レリーフ形式の見事な立体表現で,島の地形がよくわかる小さな地図の芸術品といっても過言ではありません。

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トケラウ諸島(2)

 今日も続いてトケラウ諸島ですが,同諸島を形成する3つの環礁のうち,先日のファカオファに次いで今日取りあげたのはヌクノノ環礁です。  上の切手は,先日と同様1948年の1番切手シリーズに改値加刷をして1960年に発行されたもので,ヌクノノ環礁の地図と民家が描かれています。図案の構成は同じで,経緯線が入り,環礁の形態がよくわかる地図になっています。  ここ数日取りあげているニュージーランド領の地図切手,実は以前にも紹介したことのある切手が多いのですが,地図切手ファン(私自身のことですが)を魅了する図案の渋さに引かれて再登場となっています。  このような渋い凹版印刷切手を中心に並べて,何かテーマあるいはトピカルの作品を作りたいとも思っているのですが,構成がうまくいくかという点と,ある程度のマテリアルがそろうかどうかという所が問題点です。

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